ポルシェはいかにしてCO2排出量ゼロを目指すのか カーボンニュートラルへの取り組みとは

公開 : 2023.01.16 06:05

製品からのプラスチック排除

カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、部品やロジスティクスパートナーとの連携も挙げられる。例えば、サプライヤーとの協力により、製品から可能な限りプラスチックが取り除かれている。

どうしてもプラスチックが必要な場合も、リサイクルが難しい着色プラスチックは禁止している。アンケ・ヘラーは、ポルシェが単独でできることは限られているとし、「常にパートナーが必要」と語る。

ライプツィヒ工場のミツバチは、子供向けの「サファリツアー」でも見せ場となっているようだ。
ライプツィヒ工場のミツバチは、子供向けの「サファリツアー」でも見せ場となっているようだ。

ポルシェのプラスチック対策は、工場内で部品を運搬するための台車にも及んでいる。チップボードと段ボールだけで作られたカートに切り替えたのだ。

水質汚染物質の削減

こうした対策は、すでに効果を上げている。ポルシェのライプツィヒ、ヴァイザッハ、ツッフェンハウゼンの各工場は現在、バランスよくカーボンニュートラルな状態にある。

しかし時代は変わり、ポルシェの環境負荷を測定する基準はもはやCO2だけではなくなった。「水は未来の金です」とヘラーは言う。ポルシェは現在、排水中の汚染物質や有害物質の放出を最小限に抑えるよう取り組んでいるとのこと。これが先見の明のある動きなのか、それとも単なる予備的な対策に過ぎないのかは、時間が経ってみないとわからない。

まもなく登場するポルシェの新モデルとは?

2024年に登場予定のマカンEVは、デュアルモーターを搭載し、最高出力611psと最大トルク102kg-mを発生する「同セグメントで最もスポーティなクルマ」となる見込み。

カイエンのEVは、2025年に現在のガソリンエンジン車と並んで発売される予定だ。航続距離は、メルセデス・ベンツEQS SUVの約580kmを上回ると言われている。

SUVのカイエンにもEV仕様が導入される。(画像は予想レンダリングCG)
SUVのカイエンにもEV仕様が導入される。(画像は予想レンダリングCG)

718ケイマン/ボクスターは、現在のミドエンジンの特性を模倣した電動スポーツカー専用プラットフォームを採用する予定。発売は2026年と見られる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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