日産エクストレイルと7シーター・ライバル達

公開 : 2014.09.10 23:30  更新 : 2021.04.22 13:28

またヒュンダイ・サンタフェと比較したときも同様。サンタフェの場合はアメリカンな逞しさをボディ上に表現しているが、エクストレイルのボディは彫刻的。サンタフェもエクストレイルに近いSUV然としたフォルムを持つが、キレのあるデザインといえばエクストレイルの方だ。

エクストレイルのデザイン・ソースは大きな成功を収めたジュークや、キャシュカイ(日本名:デュアリス)と通じる。ただしデザインを優先させて実用性を欠くといったチャレンジはエクストレイルには施されていないので安心できる。やはり7人乗りのSUVを購入する層は何よりも実用性を求めるゆえ、室内空間の満足度に優先順位を置いている。

今回の比較試乗では、より現実のシチュエーションに近づけるために、ドライバーだけの視点だけではなく、6人のAUTOCARのスタッフも乗車した上で実用性や乗り味を較べてみることにした。

まずは中から見ていくことにしよう。前から1列目に2座、2列目に調整可能な3座、その後ろに2座という7人乗りの基本レイアウトは5台とも共通。

しかしながら使い心地はそれぞれ異なる。中でも、肘や足元などが最も平均的だと感じたのはセアト・アラバマだと言える。

2919mmと言う大きめのホイールベース(メルセデス・ベンツEクラスより長い)ならではの調整幅を確保していることにより、不便に感じる向きは少ないはずだ。それに加えてドーム型の頭上構造は窮屈だと思わせない重要なポイント。標準装備のスライドドアや、折りたたみがし易いシートのおかげで、3列目へのアクセスに苦労することが少ないのもこのクルマの褒めるべきとことだ。

続いてプジョー5008フォードS-マックスにスタッフを乗せてみる。この際、苦情が出やすかったのはフォードの方だった。その理由は2点。1点目は3列目のシートへのアクセスのしにくさ。2点目はデザイン年時が古いために、3列目に座った際、プラスチックを使用した内装材が常に肘に当たり続けるという点。大きくわけてこの2つに不満は大別された。

シートを立てた状態でS-マックスは最大の285ℓを確保するけれど、やはり現代的な設えのプジョーに軍配が上がるようだ。

またレッグルームの満足度で言うと、ヒュンダイ・サンタフェが優勢だとする意見が多かった。

エクストレイルに乗ってみると、最後部列に乗ると少々息苦しいと感じる意見が目立った。また40/20/40の比率で分割されない真ん中の列のシートのせいで、’シアター・スタイル’ のシートを謳っているにも関わらず、思うようにリクライニングできない事が災いするシチュエーションも見られた。

エクストレイルの荷室容量はライバル勢の中で最小。次点がエクストレイルより71ℓ大きいサンタフェとなる。通常時に600ℓ強、シートを畳めば2000ℓ強の容量をもつMPV勢には、こればかりは敵わないといったところだ。

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