ずぶ濡れるサンデー・バギー セグウェイ・ヴィランとポラリスRZRへ試乗 オンロードも最高 前編

公開 : 2023.03.13 08:25

春が来たら思い切り遊びたいですよね。クルマ好きならバギーはいかがでしょう。英編集部が北米生まれの2台を評価しました。

非日常的な見た目のオフロードバギー

ジーンズとTシャツ、ウールのセーターにジャケットだけでは足りない。防寒性のある耐水ジャンパーとズボン、手袋、フルフェイスのヘルメットも必要だ。

それでも、存分に走り終えた今はまだ寒い。一緒に遊んだ、いや、試乗した同僚のマット・プライヤーは、冬場でもバイクにも乗るから平気なようだが。

ブルーのポラリスRZR トレイルSと、ブラックのセグウェイ・ヴィラン
ブルーのポラリスRZR トレイルSと、ブラックのセグウェイ・ヴィラン

今回、少々の我慢とともに試乗したのは、ポラリスRZR トレイルSとセグウェイ・ヴィランという新しいオフロードバギー。農業や林業を営む人にとっても、恐らく役に立つ乗り物になるだろう。英国ではナンバーの取得が可能で、オンロードも走れる。

自動車とガソリンの価格は上昇の一途で、週末の道はどこも渋滞している。混迷する2020年代のレジャービークルとして、この2台は好適といえるかもしれない。パイプがむき出しの容姿からして、非日常的であることは間違いない。

ブラックに塗られたセグウェイ・ヴィランは、21世紀が始まった頃にタイヤが2本の立ち乗りモビリティを発売した、あのメーカーが作っている。知的なジャイロスコープを搭載し、自律的にバランスを取るような機能は備わらない。

どちらもアメリカ製でバッテリーEVではなく、かなり賑やかなエンジン音を響かせる。これで通勤したら、月曜の朝のモヤモヤ気分も吹き飛びそうだ。

1.0L 2気筒105psにデフロック付き四輪駆動

セグウェイ・ヴィランが搭載するのは、自社開発された1000cc 2気筒ガソリンエンジン。自然吸気の4ストローク・ユニットで、最高出力105ps、最大トルク9.5kg-mを発揮し、CVTが組まれる。車重は860kgだから、パワー不足ということはない。

バギーの場合、0-100km/h加速や最高速度は重要視されないものの、オフロードでの能力はしっかり突き詰められている。シャシーはスチール製のスペースフレーム。ブロックパターンのタイヤは外径が29インチで、ビードを固定できるホイールは14インチだ。

セグウェイ・ヴィラン(英国仕様)
セグウェイ・ヴィラン(英国仕様)

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式で、リアはマルチリンク・トレーリングアーム式を採用。ロールケージには、ダンパーのサブタンクが固定されている。

フロント側にデフロック機能が備わり、後輪駆動と四輪駆動を切り替えられる。ウインチと牽引バーが標準装備され、過酷な条件への準備も整っている。コクピットには、グローブボックスも用意されている。

セグウェイらしく、スタイリッシュなダッシュボードの中央にはタッチモニターが備わり、スマートフォン用アプリも提供されている。道のない荒野で走行ルートを確認したり、仲間とワイヤレスで連携したり、エンジンのパワーをリアルタイムに表示できる。

デジタル・デトックスのためにアウトドアを楽しむのだと思うが、インスタ時代らしい装備だと思う。少なくとも、電波の圏外には走っていける。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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