小変更でマイルドHVに メルセデス・ベンツAクラス A 180へ試乗 ヘイ・メルセデスも向上

公開 : 2023.04.04 08:25

メルセデス・ベンツの人気ハッチバックがマイチェン。マイルド・ハイブリッドになった180を英国編集部が評価しました。

控えめなフェイスリフトで人気を維持

欧州市場では、SUVやクロスオーバーがファミリーカーの代表格となった。それでも英国の販売数を確認してみると、最近までトップ10入りしていた従来的なハッチバックが存在する。

その1台が、メルセデス・ベンツAクラス。知的な見た目と高級感のある内装、先進的な技術が小さなボディに融合している。そして、スリーポインテッド・スターがフロントマスクで輝いている。残価設定型の月払い金額も、値ごろ感がある。

メルセデス・ベンツA 180 AMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツA 180 AMGライン・プレミアム(英国仕様)

これらが功を奏し、2021年の英国では4番目に売れた車種となっていた。フォルクスワーゲン・ゴルフ日産キャシュカイといった強豪を抑えて。

それでも、2022年にはトップ10の圏外に落ちている。バッテリーEVに対する注目度は上昇中。2023年を有利に運ぶため、フェイスリフトの時間がやってきた。

ただし2030年の欧州では、内燃エンジンを搭載したモデルの販売終了が見込まれている。メルセデス・ベンツといえども、大きな予算をAクラスへ割けなかったのだろう。その内容は、お化粧直しといったレベルに留まった。電動化技術の拡大も含まれるが。

Aクラスのスタイリングはダイナミックで評価が高く、デザイナーが大幅に手を加える必要はなかった。フロントグリルとバンパー、ライト類が新しくなっているが、全体のイメージに大きな変化はない。

恐らく最もわかりやすい違いは、ボンネットに2本のリブが加えられたことだろう。いずれも、ハッチバックとサルーンの両方に施されている。

高級感が漂うインテリアは従来どおり

エンジンでは、A 180とA 200の1.3L 4気筒ガソリンターボが、電圧48Vのマイルド・ハイブリッドになったことがトピック。13psを発揮するベルト駆動のスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わさり、主に低回転域でエンジンをアシストする。

パワフルなプラグイン・ハイブリッドを搭載した、A 250eも登場している。ディーゼルのA 200dとメルセデスAMG仕様には、パワートレイン上の変更はない。

メルセデス・ベンツA 180 AMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツA 180 AMGライン・プレミアム(英国仕様)

インテリアには、依然として高級感が漂う。90%がリサイクル素材だという、セージ・グレーの合皮が試乗車には用いられ、従来より印象を高めたと感じた。

インフォテインメント用とメーターパネル用、2面の高精細なモニターが一体になったパネルがダッシュボード上に載る。新しいCクラスと同様に、音声操作システムなどもアップデートされた。実際に試したが、かなり効果的に理解できていた。

ナッパレザーが巻かれたCクラス譲りのステアリングホイールには、タッチセンサー式のインターフェイスが備わるが、操作性はいまひとつ。運転中は、ハイ・メルセデスと話しかけた方がストレスは少ないかもしれない。

従来まではセンターコンソールにタッチパッドが装備されていたが、フェイスリフトで省かれている。その跡地には、USB-Cポート付きの小物入れが設けられ、便利に感じるユーザーもいるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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