Rなら918psで0-100km/h 2.9秒 ロータス・エレトレへ試乗 新しいブランド像を定義 前編

公開 : 2023.04.27 08:25

ロータスによる電動SUVが遂に誕生。ブランドファンには響かずとも、ブランドの次章の始まりだと、英国編集部は評価します。

全長5103mm、車重2400kgの電動SUV

ロータスエレトレの試乗会場へ向かう飛行機のなかで、筆者は1つの結論に辿り着いてた。間違いなく、これまでの同社にとって最も急進的な公道用モデルになるだろう、という考えだ。

10年前に、ACBCが刻まれたロータスのエンブレムを付けた電動SUVが誕生すると、誰が想像しただろう。しかもグレートブリテン島から遥かに離れた、中国の中東部、武漢市の工場で生産されるとは。

ロータス・エレトレ R プロトタイプ
ロータス・エレトレ R プロトタイプ

同社初の特徴としては、ツインモーターによる四輪駆動にエアサスペンション、アクティブ後輪操舵システム、自律運転システムなどが挙げられる。既に中国の顧客へは納車が始まっており、欧州仕様も完成間近という状態。今回の試乗機会が設定された。

エレトレがベースとするのは、ロータスが開発したバッテリーEV(BEV)専用のエレクトリック・プレミアム・アーキテクチャ。これを基礎骨格とし、滑らかなスタイリングのサルーンと、ひと回り小さいSUVも登場予定にあるという。

写真ではサイズ感を掴みにくいものの、エレトレの全長は5103mm、全幅は2000mm、全高は1630mmもあり、車重は2400kgが予想されている。確かにロータスなら、もう少し小さいモデルが存在してもいいかもしれない。

エレトレ Rはツインモーターで918ps

英国仕様には3段階が設けられる予定で、エントリーグレードとなるのが通常のエレトレ。1基306psの駆動用モーターが前後に積まれ、システム総合での最高出力は611psが主張される。英国価格は8万9500ポンド(約1441万円)からとなる。

そのひとつ上に相当するのが、エレトレ S。英国価格は10万4500ポンド(約1682万円)へ上昇する。最高出力は変わらないが、スポーティ度合いが異なるという。

ロータス・エレトレ R プロトタイプ
ロータス・エレトレ R プロトタイプ

トップグレードになるのが、12万ポンド(約1932万円)を超えるエレトレ R。リアの駆動用モーターが611psへ増強され、2速ATが組まれる。フロント側は変わらずだが、システム総合での最高出力は918psに達する。

いずれも、駆動用バッテリーの容量は112kWh。航続距離は、エレトレとエレトレ Sで最長600km、エレトレ Rでは489kmが想定されている。

急速充電能力は、DCで最大420kWに対応。現在のBEVとしては相当な速さだ。ロータスの技術者によれば、20分で最長399kmぶんの電気を蓄えられるという。急速充電器の能力が追いつくことができれば、だが。

今回の試乗は、ロータスが武漢市に構えた広大な工場内にある、テストコースに限定された。筆者はこれまで、中国のいくつかの自動車工場を訪問しているが、かなり充実した試験施設だと感じた。

国際クラスのサーキットより狭いものの、テストコースのメインストレートは長さ1km。緩急様々な13のコーナーがレイアウトされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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