現ラインナップ1番の能力 ジープ・ラングラー 4xeへ試乗 2.0Lターボ+ツインモーター

公開 : 2023.06.05 08:25

実際に運転すれば夢中になれる楽しさ

実際にステアリングホイールを握れば、ラングラー 4xeの楽しさへ夢中になれる。今回のスペインでの試乗は短時間で、小川や草地程度の場所しか走らなかったが、スタックするような素振りは微塵も見せなかった。

エレクトリック・モードの走行可能距離が不安なら、内燃エンジンと協働するハイブリッド・モードがベター。駆動用バッテリーは徐々に消耗していく。市街地や目的の悪路まで駆動用バッテリーを温存する、E-セーブ・モードも選択できる。

ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe(欧州仕様)
ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe(欧州仕様)

パワートレイン以外、4xeは基本的に従来のラングラーと変わりない。若干落ち着きに欠ける乗り心地や、プレミアム感には乏しい実用主義のインテリアなどは、ジープらしいままだ。

車内の人間工学的には優れており、快適な運転姿勢を取れる。オールドスクールな、クルマを運転している、という実直な感覚がうれしい。

ちなみに、比較的大きな駆動用バッテリーをリアアクスルの直前に搭載するため、ショートボディのラングラーには4xeの設定はない。

電動化技術を実際の強みとして展開

大型SUVでプラグイン・ハイブリッドを選べる例は少なくないが、こんな印象を抱けるモデルは他に例がないだろう。ジープ・ラングラー 4xeは、電動化技術を実際の強みとして展開できている。そこから得られる体験も、特別なものといえる。

ただし、非常に残念な事実なのだが、今のところラングラーの4xeは英国で正規販売される予定がない。またハイブリッド・システムの位置的に、右ハンドルにするとステアリングコラムが干渉するため、左ハンドル専用でもある。

ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe(欧州仕様)
ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe(欧州仕様)

ジープは、輸入代理店へ導入を検討するよう要望を出しているとのこと。少なくとも筆者の場合は、左ハンドルでも気にしない。

最も高性能なオフローダーの1台といえる、ジープ・ラングラー。そのベストなプラグイン・ハイブリッド仕様が、グレートブリテン島へ上陸できることを期待したい。日本では、既に販売が始まっている。

ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 4xe(欧州仕様)のスペック

北米価格:6万1080ドル(約843万円)から
全長:4882mm
全幅:1894mm
全高:1848mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:17.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2369kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー+電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:17.3kWh
最高出力:380ps/5250rpm(システム総合)
最大トルク:64.8kg-m/3000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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