ボルボS60 T5 Rデザイン

公開 : 2014.03.26 19:18  更新 : 2017.05.29 19:08

日本仕様のS60およびV60ということでいうとT5が追加されたカタチ。でもって、そのT5はオールニューの4気筒直噴ガソリン2.0ℓ+ターボ(にこれもオールニューの8段プラネタリーA/T+トルコン)。グレード的には前からあるT4(4気筒1.6ℓガソリン直噴+ターボに6段DCT)やT6(6気筒3.0ℓガソリン+ターボに6段プラネタリーA/T+トルコン)も、新しいT5と同じファミリーの4気筒2.0ℓガソリン直噴エンジン(とトランスミッション)に、そのうち変わる。いまはT5だけが新しい。

T4よりも速いのはアタリマエとして、この新パワートレイン、簡単にいうと静か。アイドリングを車外で聴くと、直噴エンジン特有のカチャカチャ音が出ているのがわかる。車内へ入ってドアを閉めると、わからなくなる。あとスムーズ。変速クオリティが高い。トルクコンバーターならではの滑らかな発進ができる(発進後は原則、使われない=直結)。で、「なるほど新しいだけのことはあるなあ」。T4より速いT5は当然相応にT4より高価で、でもエコカー減税のぶんも考えると、その差は……。

ちなみに新型8段A/T、ボルボ側の担当技術者によると「マニュアルトランスミッションなみ」にトルク伝達効率が高いという。もっと客観的には、サプライヤー=アイシンAWの技術者いわく「ATF温度40℃でキュウジュウニサン(%)」。従来型の6段A/Tと同じくらいコンパクトで、重量も実質同じ。

パワートレイン以外の全体に関しては、ひょっとしてどこかとどこかがビミョーに変わっているぐらいはあるかもしれないけれど、乗った感じとしては相変わらず。つまり、相変わらずイイ。すごくイイ。ナイスなクルマの土台となるガッチリ車体その他、とにかく基本がちゃんとしている。ヘンな気をつかわされること一切なしに運転していられるクルマ。ちょっとでも、ずっとでも。そこへ新パワートレインで魅力が純増、ということでほぼ正解。

でも、もし。たとえごくわずかであってもそうでないところがあるとしたら、たとえば(というか唯一)ステアリング系。パワートレインがオールニューの自前の新世代になったのとセットで、EPSに。同じT5の新世代パワートレインのクルマでも、XC60は依然として油圧パワステを使っている。

運転する前から知っていた……というよりむしろソコに個人的興味の焦点を合わせていたこともあってなおさらそうだったことに、やはりハンドルの手応えは前とは違っていた。油圧アシストだったのが電動に変わったことがまったくわからないかそうでもないかでいうと、そうでもない。

アシスト量の切り替わりポイントがよりハッキリわかったり、あるいは予想と違うタイミングでアシストの方向が反転したりということが、低速ではある。たとえば駐車場からノソノソ出ていくときとか。ハンドルをいっぱい、あるいは忙しく回して。グライド、つまり滑るようになめらかに発進するのがトルクコンバーターの得意技なら、“なんとなーく”アシストがのっかってくれる感じやしっとり落ち着いたダンピング感は油圧パワステの得意技。

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