VWグループ、中国シャオペンとEV開発で提携 2026年以降にプラットフォーム共有も

公開 : 2023.07.27 18:05

次世代プラットフォームの開発が遅れるフォルクスワーゲン・グループは、中国のEVメーカーであるシャオペン(小鵬汽車)に7億ドルを投じ、EVの共同開発で提携を結びました。中国向けEVにシャオペンの技術を使用します。

VW、プラットフォーム開発遅れも影響

フォルクスワーゲン・グループは、中国の自動車メーカーであるシャオペン(小鵬汽車、Xpeng)との提携を発表した。中国市場向けのEVを共同開発することになる。

フォルクスワーゲンは約7億ドル(約980億円)を投資し、シャオペンの株式4.99%(1株あたり4.99ドル)を取得する。

シャオペンは高級EVを欧州市場にも展開している。
シャオペンは高級EVを欧州市場にも展開している。

この提携は「技術的枠組み合意」と表現され、グループ傘下のフォルクスワーゲンブランドが2026年以降に中国向けに販売する2車種のミドルサイズEVの共同開発からスタートする。この新型EVには、シャオペンのプラットフォームを使用する見込み。

同グループは現在、EV向けプラットフォーム「MEB」の後継となる「SSP」の開発に取り組んでいるが、ソフトウェアの問題で遅れている。シャオペンのプラットフォームを使用することで、その遅れをカバーする狙いだ。

シャオペンは2014年に設立され、現在ではSUVのG9やセダンのP7をはじめとする高級EVを中国や欧州諸国で展開している。

同社は最近、「SEPA 2.0」と呼ばれる新しいプラットフォームを使用する新型SUV、G6を発表した。800Vの電気アーキテクチャーにより、最大480kWの急速充電が可能とされている。

フォルクスワーゲンが計画している2車種のEVが、具体的にシャオペンのどのプラットフォームを採用するかはまだ確定していない。

今回の提携とは別で、グループ傘下のアウディが合弁パートナーであるSAIC(上海汽車)から提供されるプラットフォームを使って中国向けEVを製造するという提携を発表している。

この合意による最初のモデルは、「アウディがまだ中国で存在感を示していないセグメント」に投入されるという。

フォルクスワーゲン・グループは、この2つの提携について、「すべての関係者」が「それぞれのコアコンピタンス」を車両開発に提供すると述べている。

フォルクスワーゲン・グループ・テクノロジーがシャオペンの開発パートナーとなる。

フォルクスワーゲン中国事業の代表であるラルフ・ブランドシュテッター氏は、次のように述べている。

「競争が激しくダイナミックな市場環境において、わたし達はフォルクスワーゲンとパートナーの強みを活かし、相乗効果を生み出すことで、さらなる製品をより早く市場に投入します。そうすることで、中国のお客様特有のニーズに焦点を当てていきます」

また、シャオペンのCEOである何小鵬(ヒー・シャオペン)氏は、次のように述べている。

「わたし達は、スマートEVの技術や世界トップクラスの設計・エンジニアリング能力を共有し、互いに学び合うことになります」

「シャオペンの設立以来、EVプラットフォームからコネクティビティ、(先進運転支援)ソフトウェアに至るフルスタック技術を自社開発してきました。戦略的パートナーシップに当社の専門知識を提供し、シャオペンと当社の株主のために価値を創造する機会にわくわくしています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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