最大81ps増しのアップデート フォルクスワーゲンID.4へ試乗 優れた能力を底上げ

公開 : 2023.09.19 19:05

内装も更新 タッチモニターは12.9インチへ拡大

駆動用バッテリーの直流から駆動用モーターの交流へ電気を整える、インバーターのソフトウェアも新しいという。これも、高効率化へ貢献している。

ID.4 プロ・パフォーマンスが積む、77kWhの駆動用バッテリーも改良。純正ナビにはビークル・ルートプランナーという、最寄りの充電器を教えてくれるシステムが備わるが、それと連携し、予めバッテリーの温度を最適化する機能も追加されたという。

フォルクスワーゲンID.4 プロ・パフォーマンス(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.4 プロ・パフォーマンス(欧州仕様)

急速充電能力は、四輪駆動版で135kWから175kWへ高速化。シングルモーターの後輪駆動版は、従来どおりとのこと。

ステアリングは、手のひらへ伝わるフィードバックが増えている。セルフセンタリング性も良くなったようだ。

アダプティブダンパーが組まれる、オプションのダイナミック・シャシーコントロール・システムもアップデート。ソフトウェアが更新され、センサーが追加され、一層スムーズな乗り心地を実現している。

インテリアは、当初の不満へしっかり応えている。インフォテインメント用モニターは、従来の10.0インチや12.0インチより大きい、12.9インチを獲得。メニュー構造がシンプルになり、音声対話型のインターフェイスも実装された。

センターコンソールの収納は大きくなった。内装の素材も一新されている。それでも、ライバルと比べて知覚品質や堅牢性で優位になった、とまではいえないだろう。

優れていた能力が底上げされた

最終的な仕様や価格が公表され、長時間試乗する機会を得るまで、2024年仕様のID.4を評価することはできない。しかし今回の印象の限り、優れていた能力が底上げされたことは間違いない。

パワフルになったことで、ドライビング体験の魅力度も増している。車載機能のインターフェイスも改善した。販売数を更に伸ばすであろうことは、充分予想できる仕上がりだと思う。

フォルクスワーゲンID.4 プロ・パフォーマンス(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.4 プロ・パフォーマンス(欧州仕様)

フォルクスワーゲンID.4 プロ・パフォーマンス(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万5000ポンド(約814万円/予想)
全長:4584mm
全幅:1852mm
全高:1640mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.8秒
航続距離:531km(予想)
電費:6.2km/kWh(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:2100kg(予想)
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:77.0kWh(実容量)
急速充電能力:135kW(DC)
最高出力:286ps
最大トルク:55.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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