ウエット最速マシン選手権

公開 : 2014.10.24 23:50

テスト3:混合路面における50-0km/h

テスト2と逆の動作。ウエットコンディションにおける加速力のかわりに制動力を見る。

速度が乗り切っていないため、タイヤとブレーキのサイズ、車重の3つに加えてアンチ・ロック、電子制御ブレーキ・システム、スタビリティ・コントロールなどの電制システムが結果を大きく左右する。

もっとも短い時間で静止できたのは、これまた3.28秒の911。ウインター・タイヤの排水性が勝因のようだ。これに対してもっとも時間を要したのは3.93秒のレンジローバー・スポーツ。明らかに車重が影響している。2位のゴルフR(素晴らしい結果だ)と、6位のトヨタ86とのタイム差はわずか0.17秒に留まった。中でももっとも操舵修正を強いられたのはミニ・クーパーだった。

結果: 1) ポルシェ911カレラ4S 2) フォルクスワーゲン・ゴルフR 3) 日産GT-R 4) ミニ・クーパー 5) アウディRS4 6) トヨタ86 7) レンジローバー・スポーツ

テスト4:横G

以前、4WDはグリップではなくトラクションを与えてくれるのだ。と言ったことを覚えて下さっているだろうか。今回はそれを改めて痛感することになった。

下位2台はミニ・クーパーとトヨタ86。2台ともに2輪駆動である。プッシュしていっても4輪中2輪のみに力がかかるため、最終的にはパワー過多になり駆動輪が落ち着きを失うことが原因している。更に86は先述のようにスタビリティ・コントロール・システムの鈍さが足かせになっている。

他のモデルはすべて、アクセルペダルを踏み込んだ直後に、瞬時にパワーが分配されることにより、4WDの恩恵を直接的受けていた。

どのクルマもほとんどが優れた電気制御システムを組み合わせているため0.6G強に到達することはなかった。中でもゴルフRが擡頭し(0.665G)、それに続く形で日産GT-Rが2位につけた。GT-Rのシャフリング・システムがようやく光り輝いたといえよう。

残りの4WD勢は軒並み同じような結果に落ち着き、二駆勢が下位になったところを見る限り、タイヤが与えてくれるグリップと4WDシステムが与えてくれるトラクションのうち、後者のほうがウエットコンディションでは大きな役割を持つのではないだろうかと考えられる。

結果: 1) フォルクスワーゲン・ゴルフR 2) 日産GT-R 3) アウディRS4 4) レンジローバー・スポーツ 5) ポルシェ911カレラ4S 6) ミニ・クーパー 7) トヨタ86

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