1960年代の英国の名車 MGB 美しきレストモッド、EVとV8モデル登場 5速MT受け継ぐスポーツカー

公開 : 2023.09.25 06:05

・1960年代の英国のスポーツカー、MG MGBのレストモッドが登場。
・バッテリーEVの「Bee GT」は5速MTを搭載、どのギアでもエンストしない。
・4.0L V8の「LE60」は最高出力380psを発生。ホットロッド風のデザインに。

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1960年代に英国のMGが生産していたスポーツカー、MGBをベースとする2台のレストモッド車両が公開された。MGBを専門とするレストモッド企業、フロントライン・カーズが手掛けた最新モデルとなる。

1台目の「Bee GT」は、クラシックなMGB GTのパワートレインを電気モーターとバッテリーに換装し、現代的なEVとしている。「魅力的で、妥協のない運転の喜び」を追求したという。

フロントラインBee GT(右)とLE60(左)
フロントラインBee GT(右)とLE60(左)    フロントライン・カーズ

ハイパー9と呼ばれる100Vの電気モーターは、従来の内燃エンジンに匹敵するトルクを発揮し、9000rpmまで回転するという。最高出力116psと最大トルク22.4kg-mを後輪に送り、0-100km/h加速を8.8秒で駆け抜ける。

Bee GTは5速MTを搭載しているが、フロントライン・カーズによれば、いずれのギアでも発進と停止が可能で、従来の内燃エンジンのようにエンストすることもないという。

40kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は225kmを謳う。空の状態から満充電まで、7kWhの充電速度で約5時間かかる。

Bee GTの特徴の1つに、軽量であることが挙げられる。アバルト500eの車重が1410kgであるのに対し、Bee GTはわずか1186kgで、前後重量配分も均等だという。

インテリアでは、MGBのレブカウンターに代わってパワーデリバリーゲージが装備され、モーターのポテンシャル(エネルギー回生など)がどの程度使われているかが表示される。残りの航続距離は燃料計に表示される。

エクステリアのスタイリングも細かく変更されている。当時のダンロップ・レーシング・ホイールが装着され、フロントのチンスポイラーはよりアグレッシブな形状となった。

ボディタイプはクーペとロードスターの2種類が用意され、後者では車名から「GT」が抜けてBeeと呼ばれる。

Bee GTの納車開始は2024年を予定。

ローバーV8モデルも登場 最高出力380ps

フロントライン・カーズはまた、Bee GTとは別のレストモッドモデルとしてLE60を発表している。10年前に発売されたLE50の後継モデルとされ、オリジナルのMGBにより近い設計となっている。

LE60は、ホットロッドのようなボディワークをまとい、改良型4.8LローバーV8エンジンを搭載する。トレメック製5速MTとリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを備え、オリジナルの4気筒MGBの約4倍となる最高出力380psと最大トルク41.0kg-mを発生、すべて後輪に送り込む。0-100km/h加速は約4.0秒を見込む。

フロントラインLE60
フロントラインLE60    フロントライン・カーズ

大幅なパワーアップに対応するため、シャシーはオーバーホールされ、サイズの拡大、ボディの強化、310mm径のベンチレーテッドディスクブレーキが採用された。また、英国オックスフォードシャー州を拠点とするナイトロン社の特注サスペンション・セットアップが装備される。

ボディ補強とパワーユニットの大型化にもかかわらず、LE60はBee GTよりわずかに軽く、1122kgの車重を実現。Bee GTと同様、前:後=50:50の重量配分となっている。

LE60は合計30台が生産される計画で、2024年から納車を開始する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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