今は跡形もない? 解体寸前の貴重なクラシックカー 40選(後編) ジャンクヤード探訪記
公開 : 2025.11.23 11:45
米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、ロッキー山脈を望むコロラド州の大地で見つけた、今はもう解体されて存在しないかもしれない廃車を紹介します。
もくじ
ーフォード・フェアレーン(1958年)
ーフォード・ランチェロ(1966年)
ーダッジ(1949年)
ーフォード・ファルコン『コンチネンタル』
ースチュードベーカー・プレジデント(1956年)
ースチュードベーカー・コマンダー(1958年)
ーAMCホーネット(1976年)
ーフォード・レッカー(1964年)
ーシボレー(1958年)
ーオールズモビル88(1954年)
ーシボレー・フリートマスター(1948年)
ーダットサン280Z
ーフォード・クーリエ(1979年)
ーマーキュリー・クーガー(1967年)
ーフォード・マスタング(1972年)
ーリンカーン・コンチネンタル(1978年)
ーMG MGB(1974年)
ーシボレー・スタイルマスター
ースチュードベーカー・ラーク(1962年)
ーポンティアック(1948年)
ー著者について
フォード・フェアレーン(1958年)
なぜ、この1958年式フォード・フェアレーンの助手席ドアの下部が切り取られたのか不思議だ。ドア全体を外す方がずっと簡単だったはずだ。1958年は米国自動車業界にとって不遇の年だった。不況に直面し、自動車販売台数は前年比で31%急落した。フォードの生産台数は98万7945台で、前年比50万台減となった。この年、失敗に終わったエドセルブランドの販売が打ち切られた。

フォード・ランチェロ(1966年)
こちらも興味深い小型商用車、1966年式フォード・ランチェロだ。ファルコンのフロントパネルを流用したトラックで、当初は3種類のエンジンが用意され、中でも289立方インチ(約4.7L)V8が最も人気があった。
特大のサイドミラーに注目してほしい。おそらく超ワイドなトレーラーの牽引に役立っていたのだろう。

ダッジ(1949年)
背景にそびえるロッキー山脈の雪を冠した峰々は、この地域の冬が特に厳しいことを物語っている。しかし、悪天候にもかかわらず、クルマに錆はほとんど見られない。主な理由はコロラド州が「ソルトベルト(道路に塩をまく地帯)」に含まれないためだ。結果として、この1949年式ダッジのようなビンテージカーも表面の錆程度で済んでいることが多い。フロントガラスに開いた穴は弾痕だろうか?

フォード・ファルコン『コンチネンタル』
フォードがファルコン・コンチネンタルなどというモデルを生産した事実はない。だが、もし生産していたなら、トランクに手作りのコンチネンタル風スペアタイヤカバーを追加したこの車両のような外観だったかもしれない。

スチュードベーカー・プレジデント(1956年)
この見事な1956年式スチュードベーカー・プレジデントがなぜここにたどり着いたのか、筆者は首をかしげている。状態は非常に良好で、収集品であることを示す「コレクターズシリーズ」ナンバープレートまで装着されている。プレジデントは1926年に初登場した、スチュードベーカーの最上級モデルだ。第二次大戦中の民間車生産停止でその名称は消えたが、1955年から3年間だけ再生産された。この個体は1956年に生産された1万7234台のうちの1台だ。

スチュードベーカー・コマンダー(1958年)
この1958年式スチュードベーカー・コマンダーも同様に良好な状態だ。魅力的なクルマと広く評価されているにもかかわらず、1958年に2378ドルを支払って購入した人はわずか6771人に過ぎなかった。


































