「らしい見た目」はそのままだけど レンジローバー・イヴォークへ試乗 疑問アリの小変更

公開 : 2023.12.21 19:05

充電されている限りスムーズでパワフル

走行中の車内は静か。コンパクトSUVとしては、感心するほど軽快にコーナーを巡っていける。

細かい凹凸の処理など、乗り心地にはもう少しの洗練性が欲しい。19インチ・ホイールを履く試乗車の場合、サスペンションはかなり引き締められた設定のように感じた。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300E ダイナミックHSE(英国仕様)
ランドローバーレンジローバー・イヴォーク P300E ダイナミックHSE(英国仕様)

2021年に、英国編集部ではプラグイン・ハイブリッドのP300eへ試乗している。そのクルマは20インチ・ホイールを履き、全体的にしなやかな乗り心地だったとレポートしているのだが。

パワートレイン自体に変更はない。駆動用バッテリーの容量は12.2kWhで、充電されている限りスムーズでパワフル。駆動用モーターが効果的に働いてくれる。

充電が切れると、1.5L 3気筒ターボエンジンの荒っぽいノイズが目立つようになる。その場合、燃費は12.0km/L程度へ悪化してしまう。

エンジンを始動させず電気だけで走れる距離は、満充電で61km。数年前までは競争力が高かったものの、BMW X1アルファ・ロメオトナーレなど、65km以上走れる新しいライバルも登場している。

一般的にモデル中期のフェイスリフトは、新参のライバルへ水準を合わせる狙いがある。しかし、今回のランドローバーは低価格化へ軸足をおいた様子。高級感が薄れたことは否定できない。コストを割くべき部分が、別にあったのではないだろうか。

◯:走行時の上質さ 市街地で優れた能力を発揮するハイブリッド・システム 軽快な操縦性と不満ない動力性能
△:駆動用バッテリーの充電が切れた時の走りと燃費 質感の落ちたインテリア 硬めの乗り心地

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300E ダイナミックHSE(英国仕様)のスペック

英国価格:5万6080ポンド(約1037万円)
全長:4371mm
全幅:1904mm
全高:1649mm
最高速度:212km/h
0-100km/h加速:6.4秒
燃費:65.3km/L
CO2排出量:33g/km
車両重量:2082kg
パワートレイン:直列3気筒1497cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:12.2kWh
最高出力:308ps/5500rpm(システム総合)
最大トルク:54.9kg-m/2000-2500rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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