新型BMW M2クーペ 「乗り手を選ばず高性能」 トルコン8速AT仕様を侮るべからず

公開 : 2023.12.27 17:45

お薦めポイントは性能的な「幅」

新型M2の公道における走りの印象は、ステアリングに対するハナの入りは鋭いが、それ以上にスタビリティが高いというもの。

その点は英国編集部の「シャシーバランスは秀逸で、アンダーステアが巧みに抑えられている」という記述通りだ。あとはクローズドコースで、とりあえずDSCの効きを弱くすれば、理想的なFRの楽しみが味わえると思う。

BMW M2クーペ(8速AT)
BMW M2クーペ(8速AT)

新型M2の難点を挙げるとすれば、スーパースポーツの世界では当たり前の「公道では速すぎる」ということだけである。だが幸いなのは、速さと同じくらい普段使いの性能も向上している点だろう。つまりカバレッジが異常なくらいに広いのである。

自走していってサーキット走行を楽しめる、と謳うスポーツモデルは少なくないが、新型M2以上にうまく両極を掠めることができるモデルは他にないだろう。またハンズオフを含むADASの仕上がりに関しても、BMWにははっきりとしたアドバンテージがある。

スタイリングに関しても、実車は写真で見ていた以上に引き締まった感じがあって気に入った。他のBMW車とは異なる感じでまとめられている点もいい。少し前にガンダムっぽいデザインが流行ったことがあったが、新型M2のほどよく角ばったボディはまさにそんな感じではないか?

超が付くほどの高性能モデルでありながら、性能的な幅があるので実は乗る人を選ばない。ステアリングを握った人をがっかりさせることがない1台だといえるだろう。

試乗車のスペック

価格:972万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4580×1885×1410mm
0-100km/h加速:4.1秒
燃料消費率(WLTC):10.1km/L
駆動方式:後輪駆動
車両重量:1730kg
パワートレイン:直列6気筒DOHC 2992cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:460ps/6250rpm
最大トルク:56.1kg-m/2650-5870rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:275/35R19(フロント)285/30R20(リア)

BMW M2クーペ(8速AT)
BMW M2クーペ(8速AT)

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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