定評固める世代交代 9代目トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D(2) トルクフルなディーゼルターボ 走破性そのまま洗練性向上

公開 : 2026.06.16 18:10

トヨタ・ハイラックスが9代目へ。ラダーフレームは強化され、スリムなライト獲得。マイルドHVディーゼルで、速度上昇は円滑です。悪路性能を維持しつつ、快適性も向上。UK編集部が試乗します。

トルクフルで粘り強く、速度上昇は円滑

9代目へ生まれ変わった、トヨタハイラックス。2.8Lディーゼルターボエンジンは、耳障りさを抑えた、穏やかなノイズでアイドリングする。電動サイドブレーキを解除し、ゴツいシフトレバーをDに入れ、ブレーキペダルを緩めれば、滑らかに前進を始める。

エンジンはトルクフルで粘り強く、速度上昇は円滑。オフロード・モード次第で、アクセルレスポンスは変化もする。ロックではマイルドに、サンドではアグレッシブに。

トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)
トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)

高負荷をかけない限り、エンジンは静静と回転。0-100km/h加速は非公表ながら、10.0秒前後だろう。ピックアップトラックとして、不満のないダッシュ力といえる。

変速感は明確にあり、速度の上昇とともに4気筒ディーゼルらしい唸りが響いてくる。ライバルのフォード・レンジャーが積む、6気筒ほど洗練されてはいないものの、普段使いで不満が出るほどではないはず。

ピックアップとして快適な乗り心地

ステアリングホイールは、低速域では軽く、速度上昇とともに重くなりスワリも良くなる。手のひらへの感触は濃くなく、フロントノーズの反応はおっとり気味だが、最小回転直径は12.6mと小回りは効く側にあり、交差点などでの取り回しは悪くない。

乗り心地は、空荷の状態では特に、路面の凹凸を伝えがち。それでも、大きなうねりなどは良く吸収してくれる。レンジャーのように、乗用車的な落ち着きまでは得られないが、ピックアップトラックとして快適だといっていい。

トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)
トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)

ラダーフレーム構造だから、キャビンが独立して揺れる場面もあるが、走行時の車内ノイズは一般的なクルマと比較しても小さい。高速道路での安定性も、充分に高い。

最大積載量は、仕様によるが1025kgから1065kg。ブレーキ付きのトレーラーなら、3500kgまで牽引できる。燃費はカタログ値で10.2km/Lと、マイルド・ハイブリッドの4気筒ディーゼルターボの割に良くはない。

最低地上高309mmでライバル凌駕の悪路性能

悪路性能は、ライバルを凌駕する。先代が本格オフローダーのジープラングラーへ届かなかったのは、長いホイールベースが理由といえた。最低地上高は309mmで、スターター・ジェネレーター(ISG)の位置が高く、最大渡河水深は700mmと深い。

ボディと路面が触れる角度は、フロントのアプローチで29度。ホイールベース間のブレークオーバーと、リアのデパーチャーも24度と、いずれも大きく確保されている。

トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)
トヨタ・ハイラックス 2.8 D-4D 48V インヴィンシブルX(欧州仕様)

険しい路面でも、ステアリングは軽いままで、フィードバックは穏やか。もう少し手応えはあってもいいが、長時間荒野を走っても疲れにくい、というメリットがある。

6速ATは、マニュアル・モードかスポーツ・モードを選択可能。2WDハイと4WDロー/ハイで変更でき、リアデフのロックと、ヒルディセント・コントロールも実装する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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