トレンドは電動化とソフトウェア 自動車の「プラットフォーム」って一体何?(後編) 押さえておきたい最新動向
公開 : 2026.06.16 17:25
ここ10年ほどよく聞かれるようになった「プラットフォーム」とはそもそも何なのか。その意味は広く理解されているわけではなく、解釈も人によってまちまちです。プラットフォームの仕組みや現状について解説します。
もくじ
ーEV独自のプラットフォームも
ーEVや電気システムにおける使い方
ーソフトウェアが車両を定義するSDV
ー1. VW モジュラー・トランスバース・マトリックス(MQB)
ー2. ルノー・日産 コモン・モジュール・ファミリー(CMF)
ー3. STLAミディアム(STLA Medium)
EV独自のプラットフォームも
早期に明らかになったこと(実のところ最初から明らかだったが)は、EVには独自のアーキテクチャーとプラットフォームが必要だということだ。内燃機関や燃料タンク、排気システムがないため、目に見えない部分の構造は大きく異なる可能性があり、フロントとリアに電気モーターを装着するだけで容易に四輪駆動を実現できる。バッテリーは床下に設置しやすいし、さらに言えば床の一部として組み込むことも可能だ。
インバーターなどの主要コンポーネントを電気モーターに統合した電動パワートレインが、EV専用かつモジュラー式のプラットフォームにどれほど適しているかは一目瞭然である。実際、この手法をとるモデルが多い。

MQBに続いて登場したフォルクスワーゲンの『モジュラー・エレクトリック・ドライブ・ツールキット(MEB)』は、リアモーター、後輪駆動を基本とし、フロントモーターを追加して四輪駆動とすることもできる。
中央にはフラットな空間があり、バッテリーが床を形成し、室内空間には段差がない。その後、アウディやスコダといったフォルクスワーゲン・グループのブランドに加え、フォードとも共有されるようになった。
ハイブリッド対応型も
ステランティスは、STLAブランドのプラットフォーム群(ラージ、ミディアム、スモール、フレーム)において、より慎重なアプローチをとっている。これらは「設計段階からBEVを想定した」と謳われているが、同社はこれに「マルチエナジー」という言葉を付加している。
これはハイブリッド駆動にも対応することを意味しており、ヒョンデ・グループの『E-GMP』プラットフォームや、EX60に採用されたボルボの新型『SPA3』プラットフォームのような、他社がとっている明確なアプローチとは少し異なる。
EVや電気システムにおける使い方
ここまで見てきたのは、プラットフォームの機械的な側面。つまり、あらかじめ設計・製造されたツールキットからボディ部品とパワートレイン部品を組み合わせて構成される一連のビルディングブロックにより、いかにしてモジュール化が進んだかという経緯だ。しかし、電気および電子分野においても「アーキテクチャー」という言葉は頻繁に耳にする。
EVの電気アーキテクチャーはよく400V、800V、あるいはその両方として説明される。この場合、「アーキテクチャー」はコンポーネントとその機能に関連するものの、電圧が高いほどケーブルを細くでき、軽量化と充電の高速化が可能になる。

これには「プラットフォーム」の言葉が使われることもある。車載インフォテインメント・システムのアーキテクチャーについても同様で、この用語はハードウェアとソフトウェアの両方を指す。インフォテインメント・システムは、「ラジオ」や「CDプレーヤー」といった個別のコンポーネントから、エンターテインメント、ナビゲーション、車両制御などを統合した集中型の高度なネットワークへと進化している。




























