アウディS7 スポーツバック
公開 : 2012.12.18 18:41
S7スポーツパックは、要するにC7系S6の5ドアハッチバック版である。ただし、その作りは、単にトランクリッドをハッチゲートに置き換えただけのものではない。まず、ホイールベースが5mm伸びている。そして4枚のドアはサッシュレスに変更。それを開ければ明確に分かるが、S7スポーツパックのBピラーはS6よりもかなり太い。順番としてはこういうことなのかもしれない。サッシュレスドアにすると、ボディに対して押し込んで閉めて車体剛性の補助とする手法が使いにくくなる。実際にS7のドアは締まりが硬くない。これを補完するためにBピラーを太くした。側突規制への備えもあったのかもしれない。そして太くしたぶんホイールベースを伸ばさざるを得なかった──。ちなみに、S7スポーツパックの全長は、S6セダンに比べて60mm、S6アバントに比べて50mm長くなっている。
その補完策のおかげだろうか、S6と同じコースを走らせてみて、S7の大掴みのところの車体のねじり剛性などに不足感は見られなかった。だが、もう少し微細な領域での差異はあった。
アウディは、A6では先代のC6系から、ボディ剛性の按分を転換してきている。かつてはBピラーよりも後ろの上屋を意図的に捩じって応力を逃がすような仕立てになっていたのだが、それが、まるでBMWのように後端までカチンと硬めるようになった。ちょうど前後トルク配分を50:50の均等から40:60の不等配分に換えた時期とそれは一致する。リヤのトラクションに関する考え方の変化が、つまり後輪へのトルク印加等の応力を逃がさすに、正確に挙動に反映させる思想へ転換したわけである
ところが適当に逃がさず正確にという方向性が、S7とS6の微差を生んでしまった。先述の上屋建て込みの違いによるものだろう、S7はリヤに尖ったハーシュ系の入力が入ったとき、その角がS6よりも立っていて、またその振動が尾を引くように滲むのである。コーナー脱出時の後輪のトラクションに関しても僅かな暴れを感じた。
これはあくまで微差であり、続けて乗って比べたから判るレベルの話ではあるが、乗り心地に神経質な向きは一考したほうがいいだろう。
(文・沢村慎太朗 写真・花村英典)
アウディS7 スポーツバック
| 価格 | 1224.0万円 |
| 0-100km/h | 4.7秒 |
| 最高速度 | 250km/h |
| 燃費 | 10.4km/ℓ |
| CO₂排出量 | 225g/km |
| 車両重量 | 2070kg |
| エンジン形式 | V8DOHCツインターボ, 3992cc |
| エンジン配置 | フロント縦置き |
| 駆動方式 | 4輪駆動 |
| 最高出力 | 420ps/5500-6400rpm |
| 最大トルク | 56.1kg-m/1400-5200rpm |
| 馬力荷重比 | 203ps/t |
| 比出力 | 105ps/ℓ |
| 圧縮比 | 10.1:1 |
| 変速機 | 7段DCT(Sトロニック) |
| 全長 | 4990mm |
| 全幅 | 1910mm |
| 全高 | 1420mm |
| ホイールベース | 2915mm |
| 燃料タンク容量 | 75ℓ |
| 荷室容量 | 535-1390ℓ |
| サスペンション | (前)ダブルウィッシュボーン |
| (後)トラペゾイダル | |
| ブレーキ | (前)Vディスク |
| (後)Vディスク | |
| タイヤ | 265/35R20 |



