BMW i5 詳細データテスト 乗り心地は硬め ハンドリングは良好 航続距離は物足りない

公開 : 2023.12.09 20:25  更新 : 2023.12.13 07:41

BMW5シリーズ初のEVであるi5の、よりスタンダードな仕様は、まずまずのパフォーマンスと、重量のわりに優れたハンドリングの持ち主。ただし、乗り心地の硬さと航続距離は、不満に思うドライバーもいるかもしれません。

はじめに

エグゼクティブサルーンが過去数十年にわたり名声を得てきたのは、コンサバティブさによってであり、それは揺るがし難い事実だが、いまや全面的に正しいとはいえない。25年前、カンパニーカーの購入者は、手頃な価格で装備内容もほどほどの高効率ディーゼル車。リスクを選ぶようなことは避けたものだ。

BMWはこのとおりのセオリーをなぞってきたようなメーカーのひとつだが、CO2排出量ベースの税制に押されて、そのマーケットは激変した。

テスト車:BMW i5 eドライブ Mスポーツ・プロ
テスト車:BMW i5 eドライブ Mスポーツ・プロ    MAX EDLESTON

5シリーズはそれに伴って変革を遂げてきた。8代目となるBMWの中核セダンは、未来に向けて大きなステップをもうひとつ上がろうとしている。英国市場からはディーゼルが姿を消し、先代のアップデート版であるMHEVとPHEVに合わせて、歴代初のBEVモデルが登場したのだ。ゼロエミッションのi5は、セダンだけではなくツーリングも設定されると見られ、1モーターと2モーターが選択できる。

2年前まで、オートカーが完全電動のBMW 製セダンをロードテストにかける機会はなかった。しかし、今回のi5はi4とi7に続く3度目で、セダン系に限らなければiXやiX3、iX1もすでに市場に出回っている。BMWのなかで、ゼロエミッション勢力は急拡大を続けている。BMWきっての長寿銘柄にとって、それはどのような意味を持つことになるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ウェバー

    Richard Webber

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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