イギリスで生産された伝説のシトロエンといつかは乗りたいミニ・クーパー!【熱海ヒストリカG.P.ミーティング参加車紹介】

公開 : 2025.11.15 12:10

秋の恒例イベントとなっている『熱海ヒストリカG.P.ミーティング』には、毎回さまざまな名車、旧車が参加しています。ここでは高桑秀典が参加車の中から2台をセレクトし、オーナーのコメントを交えて車両を紹介します。

スラウ工場で生産された右ハンドル仕様

秋の恒例イベントとなっている『熱海ヒストリカG.P.ミーティング』には、毎回さまざまな名車、旧車が参加している。

当ミーティングを主催しているのがオートモビル・クラブ・ジャパン(ACJ)で、基本的に構成メンバーだけが愛車を披露しているが、2025年11月12日現在のACJ会員登録数が850名ということで、今回もバラエティに富んだクルマたちが一堂に会した。

鳥居基廣さんは右ハンドルのシトロエン・トラクシオン・アヴァンを20年前に購入。
鳥居基廣さんは右ハンドルのシトロエン・トラクシオン・アヴァンを20年前に購入。    高桑秀典

ちなみに、ACJの活動は旧車、名車の展示、ツーリング、ジムカーナ、ヒルクライム、ラリー、サーキットレース&走行会などといった感じで多岐にわたり、通常時は年間大小40回以上の催事を開催している。

悪天候でツーリングが中止となり、展示イベントとなった今回のミーティングにも国内外の名車、旧車が集まったが、イギリスのスラウ工場で生産された右ハンドル仕様の『シトロエン・トラクシオン・アヴァン』のような珍しいクルマも参加した。

シトロエンが前輪駆動とモノコック構造を採用したトラクシオン・アヴァンを発売したのは、1934年のこと。トラクシオン・アヴァンとはフランス語で『前輪駆動』を意味する技術用語で、『シトロエン7CV』がデビュー時の正しい車名だ。

足が速いのでロングランも苦にならない

鳥居基廣さんが20年前に購入したトラクシオン・アヴァンは、既述したようにイギリスのスラウ工場で生産された右ハンドル仕様で、関税を回避する目的でパーツをイギリス国内で調達したため、ウッドパネルなどを装備している。

「クラシックカークラブの先輩がご高齢になってトラクシオン・アヴァンを手放すことになったので、譲っていただきました」

オランダからパーツを取り、愛機のコンディションをいい状態でキープしている。
オランダからパーツを取り、愛機のコンディションをいい状態でキープしている。    高桑秀典

そのように話してくれた鳥居さんもすでに御年81歳だが、さまざまなイベントに自走で参加している。

水冷直列4気筒OHVエンジンはオーバーホール済みで、快調そのもの。排気量は1911ccだが、驚くほど速く走ることができる。これからも快速の愛機で素晴らい走りを披露してくれるだろう。

ありがちなトラブルはひと通り経験

続いて紹介するのは、ローバー時代に生産された1996年式『ミニ・クーパー1.3i』に乗っている向井和典さん(60歳)だ。

「ミニは小、中学生の頃から、いつか乗りたいクルマでした、現在のミニは2台目で、今年の5月末の納車です。1台目は2016年に購入した1993年式のクーパーで、そろそろ自分の趣味車を買ってもいいかな? と思えたので入手しました」

ローバー時代に生産された1996年式『ミニ・クーパー1.3i』に乗っている向井和典さん。
ローバー時代に生産された1996年式『ミニ・クーパー1.3i』に乗っている向井和典さん。    高桑秀典

最初のミニで、イベント、ツーリング、サーキット、ジムカーナ、ヒルクライムなどを楽しみ、水まわり、足まわり、電気系、吸排気系で、ありがちなトラブルを経験。修理、カスタムは数え切れずといった状況を堪能していた。

「今年の4月に本庄児玉サーキットを走行中に、熱くなり過ぎてクランクシャフトメタルに傷をつけてしまい、走行不能になりました。行きつけのショップでOHを検討中に、下取車として入庫してきたMk-1スタイルにカスタムされたネズミ色のミニに出会ってしまい、ひと目惚れで購入を決意しました」

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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