【週末ドライブで得られる満足感】マツダCX-30 スカイアクティブ-Xに試乗

公開 : 2019.12.14 09:50

優れた操縦性に上質なインテリアを備えた、スタイリッシュはコンパクト・クロスオーバーがマツダCX-30。欧州ブランドのライバルは少なくありませんが、際立った存在感を備えていると英国編集部では評価しています。

狙いは高級コンパクト・クロスオーバー市場

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
個人の好みにもよるが、筆者としては、現在最もハンサムなコンパクト・クロスオーバーだと思うのがマツダCX-30。ボディデザインは、こちらも美しいハッチバック、マツダ3をベースにしているのだから不思議ではない。

全モデルを通じた「魂動デザイン」という哲学を導入して以来、マツダは独自のスタイルを確立してきた。この要素は、マツダCX-30では特に重要となってくる。成長を続けるスタイリング重視の高級コンパクト・クロスオーバー市場へ、食い込もうと考えているためだ。

マツダCX-30 2.0スカイアクティブX 2WD GTスポーツ
マツダCX-30 2.0スカイアクティブX 2WD GTスポーツ

つまりライバルは、アウディQ2レクサスUX。自らの美しさを誇示するかのように、CX-30は鮮やかなソウルレッドというボディーカラーをまとい、Webなどで告知されている。

英国での販売価格は2万2895ポンド(320万円)から。エンジンはガソリンの2種類で、前輪駆動か4輪駆動を選べる。

英国では119psに設定されるスカイアクティブ-Gはエントリーユニット。パワフルな180psのスカイアクティブ-Xが、その上位に用意される。どちらも電圧24Vのマイルド・ハイブリッドが組み合わされる。

マツダによれば、スカイアクティブ-Gとスカイアクティブ-Xの価格差は1500ポンド(21万円)程度。英国の販売の70%はスカイアクティブ-Xになると予測しているようだ。

どちらのエンジンも試乗しているから、英国での支持がスカイアクティブ-Xに集まる理由はうなずける。119psのユニットもコンパクトでとても良いエンジンではある。レスモンスも回転フィールも良い。だが力強さが足りていない。

パワーで優位なスカイアクティブ-X

低回転域のトルクが細く、満足できる加速を得るには標準装備のMTで、最適な段数を積極的に選んでいく必要がある。変速フィールが良好で滑らかだから、操作のわずらわしさはさほどなく、少しは許せる気になるけれど。

スカイアクティブ-Gの場合、高速道路で追い越しをこなし、テキパキと走行車線に戻るにはシフトダウンは不可欠。一方でスカイアクティブ-Xは明確にパワフルだ。

マツダCX-30 2.0スカイアクティブX 2WD GTスポーツ
マツダCX-30 2.0スカイアクティブX 2WD GTスポーツ

中回転域でも充分に太いトルクを引き出すことができる。英国では100km/hとなる、郊外の一般道でのスピードでも遥かに心強い走りをしてくれる。一方でパワーで劣るスカイアクティブ-Gと比べると、高回転域まで気持ちよく吹け上がるタイプではない。

またライバルモデルが搭載する一般的なターボエンジンと並べると、たくましくは感じられないことも事実。少し悩ましいところだ。

だとしても、このコンパクト・クロスオーバーというカテゴリーで、マツダCX-30は優れたドライビングを味わわせてくれるクルマの1台。マツダはスポーティさはそれほど狙っていないと主張しているが、そんなことはない。

ステアリングの操舵時の重み付けは非常に良好で、正確性も高い。このクラスとしては平均以上の鮮明さでクルマのフロントは向きを変えていく。コーナリング時の姿勢制御もしっかりしているのに、乗り心地は不満を感じるほど硬くもない。

どちらかといえば硬めの足まわりだが、舗装状態の影響はほとんど感じられない。むしろ全般的にゆったりと落ち着きがあり、過度な振動が残るようなこともない、しなやかさがある。

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