【2019年もっとも運転の楽しいクルマを決定(6)】ドライビング・ファンを超えた今年のベスト ドライバーズカー選手権2019(6)

2020.01.04

サマリー

AUTOCAR恒例の今年ベストを決める、通称ハンドリングデイ。英国南西部の一般道とサーキットで、ドライバーの満足度一番を決定します。アリエル・アトムかポルシェ911カレラSは、マクラーレンを退けることはできるのでしょうか。

もくじ

半分剥き出しのアトムを駆る
思わず心を奪われるエナジードリンク
「爽快」「高揚」「夢中」「理屈抜き」
番外編:アングルシー・サーキットでのタイム
ノミネート車両11台の得点順位とスペック

半分剥き出しのアトムを駆る

text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル)ほか
photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)/Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
アリエル・アトム4は、ポルシェ911ほどに操縦性の奥行きはない。すべての感覚に過剰な刺激が届くマシンだ。一般道でヘルメットを被らなければ、身体は周囲環境に露出し、ターボチャージャーの悲鳴とホイッスルが鼓膜をつんざく。まるで戦闘機がすぐ後ろを追いかけて来ているような迫力だ。

運転は肉体運動だとも気付く。MTだからペダルは3枚。感覚に影響を与えるステアリングのアシストや、ブレーキのサーボも備わらない。電子制御といえば、可変制御されるトラクション・コントロールとターボブースト圧くらい。アスファルトの上にあるのは、半分剥き出しのアトムと、ドライバーだけ。

2019年英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権
2019年英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権

「マシンとしてチャレンジしがいがあるけれど、運転はしやすいですね。アトム4に最も適したスタイルが見つけられれば、走らせる喜びも素晴らしい」 しばらくステアリングを握ったソーンダースが話す。

ターボブーストを最大の「3」に高め、サーキットを走らせればセンセーショナル。ターボ過給される、ホンダ・シビック・タイプR由来の2.0Lエンジンは、5000rpm手前でも充分パワフルだが、それを超えると二次関数のグラフのように飛躍的に加速度が増していく。

暴力的な加速度で邁進していくアリエル・アトム。アトムのスピリットといった感じだ。あまりにも激し過ぎるから、理性的にクルマを理解するためにはサーキットを数周回る必要があった。

調子が掴めてくると、アリエルが見えてくる。トラクション・コントロールを最も弱くし、落ち着いて味わっていくと、極めて正確な情報が絶え間なく全身に伝わってくる。クルマの限界領域へ迫る不安もなくなる。

 
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