F1 2018、頭上のアレ 名前は「ハロ」 ダサい? 視界は? 材質は?

公開 : 2018.03.31 11:40

2018年シーズンのF1マシンのドライバー頭上に現れる奇妙な輪っかのようなもの。名前は「ハロ」というのだそうです。「ハロ」はそもそも何なのか? なぜ導入されたのか? そして反対意見も。導入の中心人物に話を聞き、安全装置導入の歩みも振り返ります。

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)

もくじ

F1マシンの「アレ」は何なのか
「ハロ」 導入への決定打とは
ハロを取り巻く議論 代替案も
F1の安全装置 義務化の歩み

F1マシンの「アレ」は何なのか

2018年シーズンのF1マシンのドライバー頭上に現れる奇妙な輪っかのようなものがついている。名前は「ハロ」

形の好き嫌いはあるかもしれないが、強度には疑いの余地はない。なんと2階建てバス(もしくは象2頭)をささえられるほど、とんでもなく強いのだ。

チタン製で重さは7kgだが、上からの125kNもの圧力(重量12t相当)に5秒間耐える強度を求められる。なぜそこまでの強さが必要なのか? 225km/hもの速さですっ飛んでくる重さ20kgのF1マシンのタイヤからドライバーを守るためだ。

思い返せば2009年、F2でヘンリー・サーティースが脱落タイヤの直撃を受け亡くなった・またF1でもスタードライバーのフェリペ・マッサが頭部にスプリングを受けて重症となった。それ以降、モータースポーツを統括するFIAはそのような事故からドライバーを守る手だてを模索してきたのだ。

「あらゆる装置について検討しました」と語るのは、アンディ・メラー。安全性に関してFIAと協力関係にある、モータースポーツ安全研究統括団体GI(グローバル・インスティテュート)のコンサルタントだ。

「ドライバーの視界を妨げない場所をさぐるのが大変でした。両立するために装置を透明にする、あるいは不透明でもできるだけ視界をさえぎらないよう形状を工夫する、いずれの選択肢もあったのです」

エアロスクリーンあるいはシールドとよばれた透明な風防状のものもふくめ、さまざまなアイデアが衝突実験やGPレースの練習セッションで試されたが、視界などの問題がクリアできなかった。いっぽうで、転覆時の防護というもうひとつのメリットがハロを後押しした。

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