ジャガー・ランドローバー幹部に訊く Iペイスの評価、次期XJのEV化、新型イヴォークの意味

2019.07.27

電気自動車、Iペイスの登場。フラッグシップ「XJ」のEV化。新型イヴォークのマイルドHV設定。驚くほどの勢いで進むジャガー・ランドローバーの電動化について、同社幹部がわたし達の疑問を整理してくれました。

text: Hiromune Sano(佐野弘宗)
photo: Kazuhide Ueno(上野和秀)

もくじ

フェリックス・ブラウティガムCCO来日
XJ いち早くEVになる理由
ジャガー、ランドローバーの未来

フェリックス・ブラウティガムCCO来日

フェリックス・ブラウティガム(Felix Bräutigam)氏は現在、ジャガーランドローバー(JLR)の取締役チーフ・コマーシャルオフィサーという肩書をもつ。JLRといえば、昨年の自動車アウォードを総なめした感すらある電気自動車(EV)のジャガーIペイスをはじめ、日本上陸したばかりのレンジローバー・イヴォークMHEVなど “電動化” へ一気にカジを切った感がある。

ヒステリックまでに厳しい排ガス基準やCO2排出規制を施行しつつあるヨーロッパでは “電動化” はもはや避けられない。われわれ日本人からすると正直なところ “イギリス車=EV” とは連想しづらいのだが、JLRの電動化に迷いはなさそうだ。そこで先ごろ来日したJLRのキーマンであるブラウティガム氏に、そんな同社の “近未来” について尋ねてみた。

――厳格な評価で知られるAUTOCAR英国版のロードテストでも9ツ星という非常に高い評価を得たIペイスですが、このジャガー初のEVが成功した要因はなんでしょう?

「Iペイスはジャガーらしさや素晴らしさをすべて体現したクルマです。ここでいうジャガーらしさや素晴らしさとは、“美しいデザイン” と “これ見よがしでないラグジュアリー”、ワクワクさせる “一体感のある乗り心地”、そして “イノベーション” の4点です」

「とくにイノベーションはジャガーの歴史的な本質であり、それをまったく新しいEVで100%表現できたからこそ、Iペイスは成功できたのだと思います。世界にはすでに多くのEVが存在しますが、おかげさまで世界に類を見ない高い評価をいただいたのは、やはりIペイスがEVであると同時に、ジャガーらしいジャガーそのものだったからでしょう」

続いて、電気自動車になることが発表された次期型ジャガーXJについて話を聞いてみた。

記事に関わった人々

  • 佐野弘宗

    Hiromune Sano

    1968年生まれ。大学卒業後、ネコ・パブリッシング入社。カー・マガジン等で編集作業に携わるうちに3年遅れで入社してきた後藤比東至と運命的な出逢いを果たす。97年、2人でモンキープロダクションを設立するべく独立。現在はモータージャーナリストとして「週刊プレイボーイ」「AUTOCAR JAPAN」「○○のすべてシリーズ」他、多数の雑誌、ウェブ等で活躍中。

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