才色兼備な初代クーペ アウディA5 走りでBMW 3シリーズへ接近 UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.08 19:05  更新 : 2024.01.12 07:48

英国編集部が高く評価する初代アウディA5 クーペ 多彩なエンジンに高級感の漂うスタイリング 多面的に優れた内容 中古車で魅力を再確認

悪ぶる必要がないほど才色兼備なアウディ

2007年から2016年まで生産された、初代アウディA5 クーペ。最近の英国では、ラッピングフィルムで身を包み、大径ホイールを履いたカスタマイズ例が目立つ。しかし、そこまで悪ぶる必要がないほど、才色兼備なアウディだ。

幸いにも、オリジナル状態へ近い例は充分に探せる。当時のAUTOCARを振り返ると、スタイリングやインテリアの魅力に加えて、動的な能力でBMW 3シリーズへ近づいたことを称賛している。

アウディA5 クーペ(2007〜2016年/英国仕様)
アウディA5 クーペ(2007〜2016年/英国仕様)

A5には、ソフトトップのカブリオレと、5ドアのスポーツバックも存在した。それでも、特に強い印象を残したのは2ドアのクーペ。電動化へ大きくかじを切ったアウディにあって、この機会に1台を検討してみる価値はあるだろう。

8T系と呼ばれる初代A5は、B8系のアウディA4とプラットフォームを共有。欧州仕様のエンジンには、2.7Lで最高出力189ps、3.0Lで240psを発揮したV6ディーゼルターボ(TDI)と、3.2Lで264psの3.2Lガソリンターボ(TSI)が当初用意されていた。

さらに、高性能仕様のS5には、4.2Lの自然吸気V8エンジン(FSI)を搭載。最高出力は354psがうたわれた。

2007年後半に、170psの1.8L 4気筒ガソリンターボ(TFSI)が登場。2008年に210psの2.0L 4気筒ターボが追加され、1.8L版は180psへ変更されている。2009年には、170psの2.0Lディーゼルターボ(TDI)も投入された。

駆動方式は、前輪駆動が標準。だが、一部の仕様で四輪駆動のクワトロも選べた。

高級感の漂う落ち着いたスタイリング

2010年に、フラッグシップとしてRS5が登場。4.2L V8エンジンは450psへ強化され、センターデフとトルクベクタリング機能、ダイナミックダンパーなど、専用アイテムでシャシーは強化されている。

2011年にフェイスリフト。前後のライトとバンパーが新しくなり、フロントグリルも変更され、雰囲気はシャープに。

アウディA5 クーペ(2007〜2016年/英国仕様)
アウディA5 クーペ(2007〜2016年/英国仕様)

エンジンはパワーアップし、S5は3.0L V6スーパーチャージャー・ユニットへスイッチ。2014年には、ウルトラと呼ばれる2.0Lディーゼルも追加された。

英国編集部で特に好んだエンジンが、驚くほどパワフルに感じられる1.8Lガソリンターボと、3.0LのV6ディーゼルターボ。2.0Lのディーゼルターボも、洗練され不足ない動力性能を備える。

当時の英国では、ディーゼルエンジンが税金で優遇されており、現在の中古車でもガソリンターボより流通量は多い。ただし、都市部のウルトラ・ローエミッション・ゾーン(ULEZ)規制に対応するのは、2016年式以降になる。

車内空間にはゆとりがあるが、右ハンドル車の場合は、クラッチペダルが右側に寄っている。インフォテインメント・システムは古さを隠せないものの、センターコンソールのダイヤルで操作しやすい。

A5の強みといえるのが、高級感の漂う落ち着いたスタイリング。装備は充実しており、ベーシックなSEグレードでも17インチ・ホイールにレザーシートが与えられていた。Sラインでは18インチへ大きくなり、スポーツサスが組まれる。

当然ながら、S5とRS5は別格。取引価格も高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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