アルファGTVとシャシーが共通! クーペ・フィアット UK版中古車ガイド(1) バングルの自己主張ボディ

公開 : 2024.06.16 17:45

じわじわ人気上昇中の、クーペ・フィアット デザイナーはクリス・バングルで、生産はピニンファリーナ 初期の4気筒はデルタ由来 シャシーはアルファGTVと共通 英編集部が魅力を再確認

デザインはクリス・バングル 生産はピニンファリーナ

30年前のフィアットは、クーペで存在感を示したかったのだろう。張りのあるボディ面に切り込まれたサイドスラッシュから、金属製のフューエルキャップまで、今見てもスタイリングは新鮮。充分に自己主張している。

クーペ・フィアットは、多くのライバルよりコンパクトなサイズでありながら、車内空間にはゆとりがあった。後期型のターボでは最高速度が240km/hを超え、見た目に違わず充分に速かった。

フィアット・クーペ・フィアット(1993〜2001年/英国仕様)
フィアット・クーペ・フィアット(1993〜2001年/英国仕様)

スタイリングを担当したのは、アメリカ人デザイナーのクリス・バングル氏。大胆なBMW 5シリーズを手掛けたことで、ご存知の読者も多いだろう。量産を請け負ったのは、名門カロッツェリアのピニンファリーナ社だ。

実は、クーペ・フィアットのスタイリングは、ピニンファリーナ社も提案していた。しかし、最終的に採用されたのはバングルの案だった。

他方、インテリアデザインはピニンファリーナ社。ダッシュボードには、ボディと同色のスチールパネルがあしらわれ、シートはオプションでブラックかタンのレザーを指定できた。特別仕様として、ブラックのレカロシートを組んだ例もある。

欧州仕様のターボ・プラスでは、レッドのステッチがアクセント。最終のLEでは、レッドの化粧パネルがあしらわれた。ジュニアフェラーリのような雰囲気は、今でも魅力の1つといえる。

初期の4気筒はデルタ由来 シャシーはGTVと共通

発表時のパワートレインは、ランチア・デルタ・インテグラーレにも搭載された、2.0Lで16バルブの直列4気筒エンジン。インジェクションの自然吸気か、ターボチャージャーを選択可能だった。ただし、前期型の燃費は褒めにくい。特にターボでは。

プラットフォームは、アルファ・ロメオGTVと同じ、当時のフィアット・ティーポ用。これはランチア・デドラとも共有しており、優れた操縦性が高評価を集めた。

フィアット・クーペ・フィアット(1993〜2001年/英国仕様)
フィアット・クーペ・フィアット(1993〜2001年/英国仕様)

当初は、マニア受けするスポーツ・クーペといった印象だったが、直列5気筒20バルブ・ターボエンジンが1996年に登場。胸がすくほど滑らかに回り、燃費に優れ、一層の速さを獲得。当時、史上最速の前輪駆動モデルに君臨した。

AUTOCARの紙面を読み返してみると、「フィアットがこのクルマを作った勇気へ、大きな感銘を受けました」と、綴られている。

しかも、この20Vターボは単に速いだけではない。ターボラグは解消され、限界領域での操縦性を改善。全体的な能力が引き上げられ、信頼性も悪くなく、多くの人が走行距離を思い切り伸ばすことになった。

サスペンションも同時に改良され、フロントタイヤへ伝えられる大パワーを許容。アルファ・ロメオGTVと同じ、クイックなステアリングラックも獲得している。

英国の中古車市場を調べてみると、現存する多くが20Vターボ。6速マニュアルが組まれた最終仕様のLEが、特に人気は高いようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

クーペ・フィアット UK版中古車ガイドの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

フィアットの人気画像