【伝説の小型4WD復活?】フィアット・グランデ・パンダ4×4コンセプトが登場 

公開 : 2025.05.23 07:45

伝説の小型四輪駆動モデルとして知られるフィアット『パンダ4×4』が復活する可能性があります。初代を彷彿とさせるルックスの『グランデ・パンダ4×4コンセプト』が公開され、量産化も示唆されています。

初代を彷彿とさせる魅力満点のルックス

フィアットは、『グランデ・パンダ4×4コンセプト』を公開した。伝説的な小型4WDモデルである『パンダ4×4』が現代に復活するようだ。

初代パンダ4×4は1983年に登場し、リフトアップされた車高やタフなルックスによって、手頃なオフローダーとして瞬く間にカルト的人気を博した。

フィアット・グランデ・パンダ4x4コンセプト
フィアット・グランデ・パンダ4×4コンセプト    フィアット

今回のコンセプトは、最高出力112psの電動モデルおよび109psの1.2Lマイルドハイブリッドを擁する新型グランデ・パンダをベースにしており、コスト効率を重視したステランティスの新開発『スマートカー・プラットフォーム』を採用する。

量産化について公式な発表はないものの、フィアットはこのグランデ・パンダ4×4を「ブランドの次章」かつ、「多用途性、信頼性、自由の真の象徴となり得る存在」と位置付けている。

フィアットの欧州部門責任者ガエターノ・ソレル氏は、量産化されるかどうかを明言することは避けたが、「将来的には間違いなく発売するつもりです。ただし、今日明日の話ではありません」と述べた。また、グランデ・パンダが最初に発表された時から4WDバージョンに対する需要があり、同社はその需要に応えたいと考えているとも付け加えた。

パワートレインの詳細は明らかにされていないが、電動化された革新的なリアアクスルを備えているとフィアットは述べており、四輪駆動用の小型リアモーターの存在が示唆されている。

トレル氏によると、フィアットは四輪駆動パワートレインの開発を続けており、量産モデルがEVか内燃機関ベースかについてはまだ決まっていないとのこと。

しかし、採用されるスマートカー・プラットフォームは本格的な前後デュアルモーターの構成には対応していないため、フロントにエンジンまたはメインモーター、リアに補助用の小型モーターという構成になる可能性が高い。これはライバルであるダチア・ダスター4×4のマイルドハイブリッド仕様と類似している。

デザイン面では、かつての特別仕様車を想起させる専用のワインレッドのボディカラーをはじめ、スチールホイール、ドアに配された『PANDA』の型押しロゴとボディクラッディング調のグラフィック、アンダーボディのスキッドプレート、ルーフラックなどが装備され、力強い個性を演出している。

なお、いずれ4×4が量産化された場合、フィアットは他のアクセサリーも用意される可能性が高いと述べている。

グランデ・パンダはグローバル戦略車として位置づけられており、最終的には3つの大陸で生産される予定だ。こうしたグローバル展開を見据え、パワートレインは多様で、マニュアル・トランスミッションの純ガソリン(ICE)仕様、ハイブリッド、完全電動、さらにはLPGにも対応可能だという。

ちなみに、マニュアルのICEモデルは2025年後半に欧州で発売予定であるが、右ハンドル仕様への切り替えにコストがかかるため、英国市場では当初の販売が見送られる可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事

        ×