米国のジャンクヤードで出会った廃車 40選 前編 朽ちていく半世紀前のアメ車たち

公開 : 2024.08.03 18:05

60年の歴史を持つ米国のジャンクヤードで見つけた「廃車」。朽ちかけたベストセラー車から植物に覆われてしまったものまで、時間の流れを感じさせる興味深い40台を紹介する。

魅惑的なジャンクヤードの世界

米ウィスコンシン州オークレアにあるクーリーズ・ステートワイド・スクラップ&サルベージ(Cooley’s Statewide Scrap & Salvage)の起源は1964年まで遡る。

午後のひとときをこの場所で過ごした我々取材班は、乗り物としての役目を終え、おそらく半世紀近く置かれているであろうクルマに思いを馳せた。

米ウィスコンシン州のジャンクヤードで見つけた興味深いクルマを紹介する。
米ウィスコンシン州のジャンクヤードで見つけた興味深いクルマを紹介する。

雑草や木に埋もれ、半分土に沈みかけたスクラップのようなものもあるが、興味深いクルマもたくさん見つかった。このヤードを訪れると、写真のような魅惑的な光景が出迎えてくれる。しかし、これはほんの一角に過ぎない。

(この記事は前編です。後編の「米国のジャンクヤードで出会った廃車 40選 後編 雑草に埋もれた半世紀前の名車たち」もぜひお読みください)

原文:ウィル・シャイアーズ

「Welcome」

クーリーズ・ステートワイド&アンド・サルベージへの訪問者を迎える、心ときめく光景。

胸を踊らせながら中へ入ると、事務所や大型の金属破砕機の奥にさまざまな年代のクルマがきちんと整理されて並んでいた。

クーリーズ・ステートワイド&アンド・サルベージの入口。
クーリーズ・ステートワイド&アンド・サルベージの入口。

キャデラック(1955年)

1955年、62シリーズは11万8190台という記録的な販売台数を残し、同年に製造されたキャデラック全車種の84%を占めた。5.4L V8エンジンを搭載し、2059kgという車両重量にもかかわらず0-97km/h加速で12秒強を達成できる。最高速度は170km/hと言われていた。

キャデラック(1955年)
キャデラック(1955年)

AMCグレムリン

AMCグレムリンのリアエンドのスタイリングは、控えめに言っても独特で、基本的にジャベリンをカットダウンしたようなものだった。しかし、この個体のフロントエンドも同様に異彩を放っている。腐食が進み、折れてしまったようだ。この新しい超空力的なプロファイルなら、8km/lというひどい燃費を改善できるだろうか。

AMCグレムリン
AMCグレムリン

ビュイック・スペシャル(1955年)

この1955年型ビュイック・スペシャルは、良い日々を過ごしてきた。ヤードの片隅に置かれ、土に深く沈んでいるところを見ると、何十年もの間ここの住人だったようだ。それにもかかわらず、比較的錆びていない部品が豊富にある。

ビュイック・スペシャル(1955年)
ビュイック・スペシャル(1955年)

MG MGB

このMG MGBのゴム製バンパーは、1975年以降のモデルであることを示している。米国のバンパー規格に適合させるため、親会社のブリティッシュ・レイランドは物議を醸したこのスタイリングを世界中に導入した。さらに、MGは米国の新しいヘッドライト高さ規制に適合しなければならなかった。デザインを変更せずに車高を1インチ挙げた結果、ハンドリングが大幅に悪化した。

MG MGB
MG MGB

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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