アリゾナの乾いた大地で見つけたクラシックな廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.10.19 11:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、乾燥したアリゾナ州の気候と丁寧な在庫管理に守られ、意外にも良好な状態を保ったクラシックカーを紹介します。

過ぎ去った栄光を物語るクラシックカー

先日、米国アリゾナ州ブラックキャニオンにあるジャンクヤード『デザート・バレー・オートパーツ(Desert Valley Auto Parts)』をじっくりと探索する機会を得た。

この場所には1000台以上のクラシックカーが保管されており、そのほとんどが1960年代から1970年代に生産されたものだ。希少な部品取り車が豊富にあるだけでなく、新たな所有者を待ちわびているレストア用車両の品揃えも優れていた。

アリゾナ州の巨大ジャンクヤードで見つけた興味深い廃車を紹介する。
アリゾナ州の巨大ジャンクヤードで見つけた興味深い廃車を紹介する。

このジャンクヤードについて

敷地内にはさまざまな米国車ブランドの車両が揃っているが、訪問時には特にキャデラックの密度が高いように思えた。

デザート・バレー・オートパーツはアリゾナ州カサグランデにも別の店舗を持ち、そちらはより古い車両に特化している。そのレポートは以前掲載した記事【アリゾナの太陽に灼かれる日米欧の廃車 40選 ジャンクヤード探訪記】でも紹介している。

デザート・バレー・オートパーツは、アリゾナ州内に複数の拠点を持っている。
デザート・バレー・オートパーツは、アリゾナ州内に複数の拠点を持っている。

オールズモビル・ナインティエイト(1973年)

素晴らしい眺めではないだろうか。1973年式オールズモビル・ナインティエイトの2ドア・ハードトップだ。この店舗の入り口へ向かう途中、最初に目に入ったのがこのクルマだった。敷地内にはどんなクルマが眠っているかを期待させる存在だった。

ナインティエイトは1940年代から1996年までオールズモビルのフラッグシップモデルだった。

オールズモビル・ナインティエイト(1973年)
オールズモビル・ナインティエイト(1973年)

プリムス・サテライト(1966年)

これはレストアする価値のある1960年代のコンバーチブルだ。デザート・バレー・オートパーツもわたし達取材班と同じ考えだったらしい。この1966年式プリムス・サテライトには7500ドル(約110万円)の値札が付いており、レストア用として販売されていた。

全体的に状態はかなり良かったが、フロアを詳しく調べると穴がいくつか見つかった。残念ながら内装は長期間にわたり風雨に晒され、劣化していた。

プリムス・サテライト(1966年)
プリムス・サテライト(1966年)

フォード・ピント・ワゴン

フォードは1971年から1980年にかけて300万台以上のピントを販売したが、現存率は高くなく、1980年代後半には廃車置き場がピントで溢れかえっていた。

今日では人気が高まっているが、状態の良い個体を見つけるのは難しくなっている。このステーションワゴンはホイールトリムやテールゲートスポイラーに至るまで100%揃った完全な状態に見えた。

フォード・ピント・ワゴン
フォード・ピント・ワゴン

ポンティアック・カタリナ(1970年)

アリゾナの乾燥した気候は、多くの車両を錆びや腐食から守っている。この1970年式ポンティアック・カタリナは、部品取り車として取り扱われていた。

ポンティアック・カタリナ(1970年)
ポンティアック・カタリナ(1970年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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