ルクセンブルクでフェラーリ新型”ドッチリ”試乗会【新米編集長コラム#2】

公開 : 2024.10.04 07:05

8月1日よりAUTOCAR JAPAN編集長に就任したヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第2回はフェラーリの新型モデル、”ドッチリ”の話です。

アスファルト、タイヤを切りつけながら

またもや、空港に向かうバスの中である。前回、某地方の空港に向かうバスの中でこのコラムを書き始めたと記したが、今回は横浜のYCATから羽田空港に向かっている車中だ。

忙しぶっているようで恥ずかしい上に、決してバスの中で原稿を書くのが好きなわけではなく、むしろ車酔いしそうなので避けたい事態だが、タイミングが今しかなさそうなので、PCをまたもや開いている。

ルクセンブルクで開催された、フェラーリの国際試乗会に参加。
ルクセンブルクで開催された、フェラーリの国際試乗会に参加。    平井大介

首都高速のカーブで”うう、酔う……”と嘆きつつも、”アスファルト、タイヤを切りつけながら~”というフレーズが頭に浮かんだが、周囲は暗闇でもなければXYZの伝言板も見ていないので、本題に入ることにする。

今回のテーマはルクセンブルクの”ドッチリ”だ。

“10月2日AM7時1分”という世界的な情報解禁時間に公開した、フェラーリ・ドーディチ・チリンドリの試乗記はご覧頂けただろうか。光栄なことに今回、ルクセンブルクで開催された国際試乗会に参加できた。

私はAUTOCAR JAPANを運営するACJマガジンズへ8月1日に入社するまでは、ネコ・パブリッシング(現カルチュア・エンタテインメントのネコパブ事業部)に所属。そこで13年間、フェラーリ専門誌『SCUDERIA』編集長を務めていて、実は今の立ち位置でも同職を続けるのだが、フェラーリの国際試乗会に”招待”されるのはこれで2度目のこと。

ただし前回は、2台のプロサングエを使用して、各国のメディアがニュージーランドをリレー方式で縦断するという、試乗会というよりはイベント色が強かったため、純粋な国際試乗会は初めてである。

マラネロ現地集合というパワーワード

ただしわざわざ”招待”と書いたのは、実は599と430スクーデリアの時に自費(会社負担)で参加したことがあるからだ。当時はまさかの”マラネロ現地集合”!

なかなかのパワーワードなので、長年、すべらない話として使ってきたが、”現地(フェラーリ本社のあるイタリアのマラネロ)まで来ればホテルや食事は用意するのでそこまでは勝手においで”という、顎足枕ならぬ、顎枕負担である。

ホテルのエントランスで初対面。色が素敵すぎる……。
ホテルのエントランスで初対面。色が素敵すぎる……。    平井大介

しかもそれはSCUDERIA編集長に就任する2011年より前のことだから(当時はROSSO編集部所属)、13年続けて初の招待。これはなかなか感慨深い話だ。

今回、日本から参加したのは12名。なんと、その試乗日は日本人メディアだけの枠となっていた。同行した国際試乗会常連の方々も驚いていたが、これは日本市場の強さを表している。

実は現在、日本におけるフェラーリの販売台数は、アメリカに続く世界第2位! なのだ。これはコロナ直前の確か2019年からで(手元に資料がなくうろ覚えですみません)、参考までにJAIA(日本自動車輸入組合)が発表している2023年のフェラーリ新車登録台数は、実に1395台となっている。

つまり、フェラーリが日本でたくさん売れているから、それだけ招待するメディアの枠も大きくなるということだ。もしこれをお読みのフェラーリ・オーナーさんがいらっしゃれば、感謝申し上げたい。ドッチリの試乗会に行けたのは貴方と、SCUDERIAを愛読されている読者の皆さまのお陰だから。

ちなみにドーディチ・チリンドリは長くて呼びにくいので、勝手に”ドッチリ”と略している。PCの変換予測には出てくるので、ドーディチ・チリンドリと書くこと自体は楽なのだが……。

さてルクセンブルク……というところでもうすぐ飛行機の搭乗が始まるので(実は途中でバスは降りていた)、ここでPCを閉じることにする。

ちなみに前回のPCが写っている写真は、ルクセンブルクのホテルで撮ったものだ。到着してチェックインはしたものの、時間の関係でまだ部屋に入れず、レストランが日本人向けのメディアセンターみたいになっていて、実は写真の奥ではジャーナリスト諸氏や各誌編集長が必死にPCに向かっているのである(涙)。

というわけで、ルクセンブルクの話は次回。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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