プジョー208GTi 30th アニバーサリー

公開 : 2015.01.28 23:50  更新 : 2017.05.29 19:00

スプリング・レートとダンパーのセッティングも記念モデル専用で、フロントのキャンバー角を含むホイール・アライメントも見なおされている。また内在的に生じていたアンダーステアを低減するために、フロントのスタビライザーが柔らかめになっている。

さらにRCZ Rと共通のトルセン・ディファレンシャルを採用することによりトラクションとドライバビリティを向上し、同様の目的で18インチのアロイ・ホイールには総幅205mmのグリップ重視のミシュラン・パイロット・スーパー・スポーツが組み合わされている。ブレーキ径はフロントが323mmへと拡大、ブレンボ製の4ポット・キャリパーがディスクを挟みこむ。

その結果、寒風吹きすさぶイングランド南東部はサリー州での走行であったにもかかわらず、フルスロットルのコーナー脱出でも驚くほどのトラクションを発揮してくれた。幾ばくかのトルク・ステアは看取されたけれど、スロットルを細やかに調整しながらじっくりと観察したところ、デフがもっともグリップを発揮しやすいところを懸命に探り当てていることがわかった。

薄い水膜で覆われた決して理想的ではない路面コンディションであったにもかかわらず、208psのFF車としては驚くほどの路面の掴み具合であった。

事実、足元は自分の狙ったラインよりも路面の起伏に合わせた動きをすることもあるが、賢い電制アシストのおかげでターンインは驚くほどシャープでエンスージアストを喜ばせてくれる身のこなしだ。最初は、ステアリングの重心位置とやや漠然としたフィールに慣れが必要だが、これさえ乗り越えれば小径ステアリングも楽しさを与えてくれる重要な要素へと変わるだろう。

ホットハッチという立ち位置であることから、やはり乗り心地は硬め。ただしそのおかげでコーナリング姿勢は常にフラットで、鼻先の動きもかなりクイック。スタビリティもたかいおかげで、自信をもってコントロールできる。ミドル-コーナーでそっとスロットル・ペダルから足を離せば車体後部は自由気ままになり、ここに達した頃にはどうにも笑顔がとまらなくなる。

ブレーキのアップグレードのおかげでギリギリまで制動を堪えることができるため、筆者自身はリア・ブレーキの力の弱さに気持ちが沈むこともなかった。

キャビンはもともと高級感のあるものだったけれど、これにプジョー・スポーツ製のアルカンターラ地のバケット・シートや赤いステッチ入りのシートベルト、同じく赤色のフロア・マットなどがスパルタンな印象を加えているのは205 GTi譲り。シリアル・プレートを与えることにより、より一層の付加価値を高めたりと細かいところにも抜かりはない。

ドライビング・ポジションは ’まずまず’ といったところ。背の高いドライバーならば、あと数センチだけシートを後ろにセットしたくなるはずだ。また、ダイアルとステアリングが重なり、車速や回転数が見えにくいところがあるためこちらは改善を求める。

カラー・タッチスクリーンをそなえるサテライト・ナビやDABラジオ、リア・パーキング・センサー、LEDデイライト、デュアル-ゾーン・エアコンは標準装着だ。

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