「洗練度」が期待に届かず マツダCX-80 2.5 PHEVへ英国試乗 キラリと光る3.3Lディーゼル

公開 : 2024.12.12 19:05

キラリと光るディーゼル 一括りには評価しにくい

3列シーターのSUVとして、CX-80は英国でも一定の支持を集められるだろう。ただしプラグイン・ハイブリッドは、洗練性や電気だけでの走行距離で同クラスの理想には届いていない。マツダへ期待したい、動的なフィーリングも得てはいない。

欧州でのライバルは、ヒョンデ・サンタフェやプジョー5008など。パワートレインの構成自体は、マツダの方が魅力的といえるが、より安価で優れたハイブリッドを積むモデルは存在する。

マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブPHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)
マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブPHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)

CX-80でキラリと光るのは、トルクフルでスムーズな3.3Lディーゼル。また、上級トリムグレードのインテリアは訴求力が高い。シャシーの動的能力も低くはない。称賛したい部分も多いのだが、そうではない部分も混在している。

仕様次第では、CX-80がクラス上位の1台になり得るとは思う。一括りには評価しにくい、というのが本音だ。

◯:タクミ・グレードのインテリア 多用途で広い7シーターの車内 燃費に優れ好印象な6気筒ディーゼル
△:落ち着きに欠ける乗り心地 競争力の高くないプラグイン・ハイブリッド

マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブPHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8920ポンド(約954万円)
全長:4990mm
全幅:1890mm
全高:1713mm
最高速度:194km/h
0-100km/h加速:6.8秒
燃費:62.5km/L
CO2排出量:35-36g/km
車両重量:2165kg
パワートレイン:直列4気筒2488cc 自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:17.8kWh
最高出力:327ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:50.9kg-m/4000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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