日本最古のアンティークトーイ蚤の市、ワンダーランド・マーケット【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第3回】

公開 : 2025.01.22 17:05

元モデル・カーズおよびカー・マガジン編集長である長尾循による、古今東西モデルカーにまつわるよもやま話です。第3回は日本最古のアンティークトーイ蚤の市『ワンダーランド・マーケット』について語ります。

クルマ好き、モデルカー好きの趣味人にとって欠かせないイベント

蚤の市(flea market/フリーマーケット)といえば、『不要となった中古の品々を持ち寄って次のオーナーにバトンタッチする場』として、昨今では全国各地でさまざまなフリマが開催されていますが、広辞苑によると元々は『パリ北部のラ・ポルト・サン・トアンに立つ古物市』を指していたそうですね。

ともあれ、そんな蚤の市の中でもクルマ好き、モデルカー好きの趣味人にとって欠かせないイベントが、アンティークトーイの蚤の市『ワンダーランド・マーケット』です。

ワンダーランド・マーケットは、1981年に第1回が開催された日本で最も歴史のあるアンティークトーイの蚤の市。
ワンダーランド・マーケットは、1981年に第1回が開催された日本で最も歴史のあるアンティークトーイの蚤の市。    長尾循

このワンダーランド・マーケットとは、1981年に第1回が開催された日本で最も歴史のあるイベント。主催するのは日本におけるアンティークトーイ専門店の草分け的な存在として名高い、横浜のアンティークトーイショップ『サンセット』で、同社の代表である宇野規久男さんは自身もディープなコレクターです。

ちなみにTV番組『開運!なんでも鑑定団』の放送が始まったのは、ワンダーランド・マーケットが始まってから13年後の1994年ですが、宇野さんはこの番組でもクルマ系モデルのゲスト鑑定士としても活躍中。そのお姿をテレビでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

というわけで、このワンダーランド・マーケットは長い歴史の中で幾度か会場や開催時期が変更されつつ、ここ最近は春・夏・冬の年3回、横浜の産貿ホールで開催されるのが恒例となっております。

『第118回(冬)』がさる12月15日(日)に開催

そんな日本最古の歴史を誇るワンダーランド・マーケット、その『第118回(冬)』がさる12月15日(日)に開催されたので、ちょいとお邪魔してきました。日本国内はもちろん、海外からもアンティークトーイのディーラーやコアなコレクターが一堂に集まった会場は、今回も大変な熱気に包まれておりました。

かつて我々にとってモデルカー趣味といえば、実車の趣味と同様で欧米がお手本でしたが、昨今ではトミカや街道レーサー系モデルなど『日本発』のモデルカーを熱心に探して回るアジア諸国のコレクターも数多く来場するようになり、時代の変化を感じます。

ワンダーランド・マーケットの『第118回(冬)』は、さる12月15日(日)に開催。
ワンダーランド・マーケットの『第118回(冬)』は、さる12月15日(日)に開催。    長尾循

今回も戦前の珍しいアンティークトーイから1950〜60年代のビンテージミニカー、昭和のプラモデルから最新のホットウィールまで、さまざまなアイテムを販売する数多くのブースが広い会場を埋め尽くしました。

ビギナーには新鮮で衝撃的、ベテランにとっては心地よい同窓会的な社交の場でもあるワンダーランド・マーケット。このイベントでしかお目にかかれないような貴重なビンテージミニカーや日本未入荷の海外のモデルなどは、眺めているだけでも眼福。ちなみに次回のワンダーランド・マーケット、第119回(春)は2025年4月13日(日)に開催予定だそうです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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