メルセデス・ベンツ、空前のラインナップ大刷新 今後2年間で20以上の新型・改良型を投入
公開 : 2025.03.05 07:45
2026年の新型車
2025年も忙しい年になりそうだが、2026年はメルセデス・ベンツにとってさらに大きな年になるだろう。スタートラインを切るのは改良型Sクラスの発表で、後継車が登場する2030年まで販売が続けられる予定だ。
改良型Sクラスは、新設計のヘッドライトと、大型のイルミネーション付きフロントグリルによってモダンな外観を演出する。インテリアでは、新しいMB:OSソフトウェアを搭載した最新のMBUXスーパースクリーンでデジタル体験の向上を図る。さらに、次世代のレベル3自動運転機能が導入されるほか、6気筒エンジンの最高出力は520ps以上に引き上げられる。

その後間もなく、EQSの新型が発表される。以前AUTOCARでも報じたが、このモデルにはSクラスの名称が採用される見込みだ。ただし、エンジン車とはプラットフォームを共有しない。エンジン車は現在のMRAプラットフォームの改良版を、EVはMB:EAラージ・プラットフォームを採用する。
そのため、新型の電動Sクラスでは800Vシステムを搭載する。新しいパワーエレクトロニクス、先進的なインバーターおよび電気モーター技術と組み合わせることで、現行EQSと比べて効率性、航続距離、充電速度の大幅な改善が期待される。
メルセデス・ベンツのEV攻勢は、電動Cクラスの発売によりさらに勢いづくことになるだろう。GLCのEVと同じく、MB:EAミディアム・プラットフォームを採用し、BMWが間もなく発売する新型EV「i3」の直接的なライバルとなる。
電動Cクラスは2026年の北京モーターショーで発表予定だ。シングルモーター/後輪駆動とデュアルモーター/四輪駆動の2種類が用意され、最高出力600psを超える「C 63 EQ」も計画されている。ただし、ステーションワゴンタイプの導入計画はない。
電動Cクラスに続いて、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドの各モデルも発売される。現行Cクラスの大幅改良版で、セダンとステーションワゴンの両ボディが用意され、2026年後半に登場する予定である。
それまでに、メルセデス・ベンツはジュニアGクラス(またはリトルG)のさらなる詳細も明らかにする予定である。2023年のミュンヘン・モーターショーでオラ・ケレニウスCEOが量産化を認めたこのモデルは、現在開発の初期段階にあり、2027年の発売が予定されている。
また2026年には、EQS SUV、EQEセダン、EQE SUVの改良型を発表する予定だ。これら3車種は、電動Sクラスと同じMB:EAラージ・プラットフォームに切り替え、同年末に発売される。米国生産のGLEとGLSの改良型もほぼ同時期に登場する。
2026年最大のニュースは、メルセデスAMG初のEV専用モデルのお披露目だろう。エンジン車のGT 4ドア・クーペの兄弟車として構想されたセダンである。
AMG:EAプラットフォームを市販車として初めて採用し、最高出力493ps、最大トルク81.5kg-mで重量わずか24kgの英ヤサ製モーターを搭載する。デュアルモーター仕様では、最高出力985ps、最大トルク163kg-mに達すると予想されている。フロントに1基、リアに2基のモーターを搭載する、ポルシェ・タイカン・ターボGTのようなトライモーター仕様も開発中である。
2027年の大注目ニュース
さらに先の話になるが、メルセデス・ベンツはすでに主要な新モデルを2車種発売する計画を示している。
1つは、Gクラスの小型版となるジュニアGクラス、または「リトルG」で、EVのみが販売される。人気の高いクロスオーバー市場における新たな足掛かりとする狙いだ。

メルセデス・ベンツのデザイン責任者であるゴードン・ワグナー氏は以前、AUTOCARの取材に対し、新モデルは既存のGクラスの「象徴的なDNA」からデザインの影響を強く受けると語った。同氏によると、「独自の個性を持つが、Gであることに変わりはない」という。
GLBと兄弟車となるこのモデルは、CLAと同じくMMAプラットフォームを採用する。シングルモーターとデュアルモーターの2種類の設定で販売され、高級車として位置づけられるが、オフロード性能も備える見込みだ。発売は今のところ2027年を予定している。
2つ目の主要モデルは、ロータス・エレトレや今後発売されるポルシェのカイエンEVへの対抗馬となる、メルセデスAMG GT SUVである。
AMG:EAプラットフォームをベースに、1000psを超える出力を実現し、ブランド史上最もパワフルなモデルとなる。ラインナップではEQE SUVとEQS SUVの中間に位置づけられる。
GT SUVは2027年頃に発売予定だが、すでにプロトタイプが公開されており、セダンモデルと共通点のあるデザインを採用することが明らかになっている。
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