【輸入車との相性は?】話題沸騰のダンロップ・シンクロウェザーを愛車に装着
公開 : 2025.03.10 15:05
実際の冬コンディションで実感した性能
だが、シンクロウェザーで走破した雪道で最も印象的だったのは、2月半ばに北アルプスを訪ねた時だった。
この時の最低気温はマイナス18度。しかも降雪中や軽く除雪車が入った後の圧雪、ザラメ雪がアスファルトの上に乗った状態からウェットまで様々な路面にコロコロと変化するような状態。つまり、シンクロウェザーの特徴である水スイッチと温度スイッチ(編集部注:詳しくは斎藤聡さんの記事『【カギは水と温度】ダンロップ・シンクロウェザーの実力を検証:座学編 性質が変化するアクティブトレッド』でチェックしてください)が頻繁にオンオフを繰り返すような路面コンディションである。

特に身構えるのは路面の状態が変わる瞬間。例えばウェット路面からコーナーの途中で圧雪路に切り替わるようなシチュエーションでも、シンクロウェザーはグリップの変化が非常に穏やかだとすぐにわかり、自信を持ってハイペースを保つことができたのである。
ちなみに8年ほど前に履いていたオールシーズンタイヤは、トレッドが時間の経過とともに硬くなっていく印象で、それが入力やノイズにも影響していた。また、気温0度くらいの雪の上でのグリップが非常に低かったことも残念ポイントだった。筆者のように積極的に雪山に行きたいという人のチョイスにはなり得なかったのである。
当時のオールシーズンと比べると、シンクロウェザーのバランスの良さ、クセのなさは相当なもの。スタッドレスとサマータイヤのおいしいところを味わえるので、いまだに狐につままれたように感じることもある。
ヨーロッパ車との相性にも着目したい
タイヤ単体としてのカバレッジの広さをしっかりと体感できるダンロップ・シンクロウェザー。そのクセのなさを考えれば装着するクルマを選ばないことも容易に想像がつく。
また自分のフィアット・パンダ4×4とのマッチングの良さから考えて、ヨーロッパ車にもしっかりマッチしそうだと感じた。というのもスタッドレスタイヤのコシの弱さとヨーロッパ車の硬めのアシは、特にドライ路面での相性が良くなかったからだ。

ここ10年ほどでは、筆者は日本のメーカーのスタッドレスタイヤをメルセデスAクラスに、ヨーロッパ製のそれをBMW3シリーズ・コンパクトに履かせていた経験がある。そこで感じたのは、氷上性能を重視した日本のスタッドレスタイヤが全体的に柔らめであること。その結果としてヨーロッパ車に装着してドライ路面で試すと相性が今ひとつだと感じることが多かったのだ。
ちなみにヨーロッパ製スタッドレスはドライ路面こそ良い手ごたえを返してきたが、ロードノイズの大きさと氷上グリップの低さが顕著だったのである。
近年は気候が不安定になっていることで、冬タイヤを履いている期間が伸びていると思う。それでも都市部に住んでいれば実際に雪の上を走るような機会は年に1~2度という人も多いはず。そんな時代にあって、夏タイヤとして違和感がなく、降雪時も頼りになるシンクロウェザーは時代に寄り添ったものといえる。
ついに常識を変えるようなオールシーズンタイヤが登場したのである。















