【数百万人の頂点を決する最終決戦】黒木美珠が『グランツーリスモ ワールドファイナル』を取材

公開 : 2026.01.08 11:45

世界最高峰のeスポーツイベントである『グランツーリスモ ワールドシリーズ2025』の最終戦が、12月20・21日に福岡で開催されました。年間王者を決する大舞台。その熱気と、同時開催の競技に参加した模様を自動車ジャーナリスト(卵)の黒木美珠がレポートします。

世界最終戦の舞台は福岡

12月20・21日、福岡県の福岡国際展示場にて『グランツーリスモ ワールドシリーズ2025』の最終戦が開催された。

『グランツーリスモ』は、実在する車両とサーキットを高精度に再現したドライビングシミュレーターであり、世界的に支持されているレースゲーム。そのゲームで戦う本シリーズは、すべてのプレイヤーに開かれたオンライン予選と、予選を勝ち抜いたトップドライバーが世界各地を転戦するワールドシリーズによって構成される。

イギリス、ドイツ、アメリカでの戦いを経て、日本で最終戦が開催された。
イギリス、ドイツ、アメリカでの戦いを経て、日本で最終戦が開催された。    黒木美珠

2025年シーズンは、6月のイギリス・ロンドン、9月のドイツ・ベルリン、11月のアメリカ・ロサンゼルスを経て、12月に日本・福岡で最終戦を迎えた。競技は、国・地域代表が争うネイションズカップと、自動車メーカーを代表する選手が参戦するマニュファクチャラーズカップの二本立てで行われる。

開催8年目を迎えた2025年は、シリーズにとって大きな転換点となる年でもあった。9月よりタイヤブランドのダンロップが、『グランツーリスモ7』およびワールドシリーズのオフィシャルタイヤパートナーに就任したのだ。

同社は『eスポーツライフをもっと豊かに』というコンセプトのもと、eスポーツ向けアームサポーターや姿勢アシストインナーといった製品を展開し、競技を支えるウェアという側面からもアシスト。Eスポーツを一時的なブームではなく、生涯にわたって楽しめるスポーツとして、10年後、20年後も競技を続けられる環境づくりを目指すという姿勢は、プレイヤーの健康と競技寿命を重視するリアルモータースポーツの思想とも重なる部分がある。

アマチュアとプロが交錯する舞台

じつは、このワールドファイナルの舞台裏で、ひっそりと開催されていたイベントがある。それが『プロアマ対抗戦』で、筆者自身も参加する機会を得た。プロ選手と、事前エントリーしたアマチュア選手が二人一組のペアを組み、それぞれ3周ずつ走行して合計順位を競う形式。本戦に進出できるのは21組のエントリーの中から選ばれた12組のみで、その前段として予選が行われた。

今回ペアを組ませていただいたのは、マニュファクチャラーズカップで日産代表として参戦している奥本博志選手。予選は二組に分けて実施され、筆者は後半グループに割り振られた。予選はアマチュア選手のみが走行し、上位12名が本戦進出の権利を得る。

プロのアドバイスを受け、グループ5番手までいけたものの、予選敗退。
プロのアドバイスを受け、グループ5番手までいけたものの、予選敗退。

舞台となったのは、首都高速道路をモチーフとした『東京エクスプレスウェイ』。前半グループには実車レースでプロとして活動している選手も含まれており、その走りは非常にハイレベル。『アマチュアとは何か』と自問しつつ、筆者の予選走行が始まった。

使用車両は、奥本選手と相談のうえ、直線での加速性能に優れる『GRスープラ Race Car ’19』を選択。予選中はヘッドセットを通じてプロ選手とリアルタイムで会話をしながら走行する。

「ここは意外と曲がれるので全開でいけますよ」、「この先はストレートが長いので、100m看板まで踏み切りましょう」といった具体的なアドバイスを受けることで、周回ごとにタイムは着実に縮まっていった。

15分間の予選で記録した自己ベストは、2分11秒。後半グループ内では5番手につけた。この順位であれば予選突破も見えてくるかと思われたが、前半グループのレベルが想像以上に高く、結果として筆者は予選敗退となった。悔しさが残る結果だ。

それでも、プロの助言を受けながら走ることで、短時間で大きくタイムを縮められたのは貴重な経験だったし、プロの凄さを実感する機会となった。次回以降、再びプロアマ対抗戦が実施されるのであれば、ぜひリベンジを果たし、本戦の舞台に立ちたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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