弱点許す「広い心」も必要 TVRサーブラウ UK版中古車ガイド(2) エッジ効いたサウンドとスピード

公開 : 2025.03.30 17:46

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

FRP製のボディは塗装が剥がれたり、ドアヒンジが固着していないか確かめる。フロントガラスは、ボディから外れる場合がある。ヒビ割れの有無も観察したい。

チューブラーフレームのシャシーは、アウトリガー部分とサイドシル、トランスミッション・マウント、アッパーレール、排気マニフォールド付近が錆びやすい。2001年式以前では、それ以降より粉体塗装が剥がれやすい。

エンジン

TVRサーブラウ(1996〜2006年/英国仕様)
TVRサーブラウ(1996〜2006年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

V8エンジンも直6エンジンも、充分な開発予算が確保され、信頼性の高いユニットに仕上がっている。V8にはフラットプレーン・クランクが組まれ、特有の唸りを放つ。後期の4.5Lユニットは特に、TVRの主張した最高出力に届かない例が少なくない。

多くの現存車は、エンジンがリビルト済み。信頼できるプロによって作業されているか、予め確かめたい。エンジンオイル漏れやヘッドガスケットの劣化が、主な注意点。

ラジエター内部が腐食し、クーラントが漏れたり堆積物が溜まることがある。ウォーターポンプは故障しがち。ホース類の劣化にも注意したい。予防的な交換が吉だ。

トランスミッション

5速MTは基本的には堅牢だが、2速と5速のシンクロメッシュは劣化しがち。ダイヤフラム・スプリングがヘタると、クラッチペダルが重くなり、クラッチプレートの摩耗が進む。リミテッドスリップ・デフから異音がしないかも、確かめたい。

タイヤとサスペンション

リアタイヤの摩耗は早い。リアサスペンションは、劣化するとガタつき始める。異音がする場合は、リビルドを考えたい。ポリウレタン製のブッシュは、硬すぎる場合が珍しくない。ダンパーの液漏れがないかも、チェックポイント。

インテリアと電気系統

エアコンにイモビライザー、ドアとテールゲートの開閉ボタン、ライト、ワイパー、メーター、ステアリングホイール上のボタンが正常に動くか、1つ1つ確認する。サイドウインドウは、ドアの開閉中に操作すると、動かなくなる場合がある。

車内が不自然に湿っていないか、レザーの状態は良好か、丁寧に観察する。サーブラウ・レッドローズには、ハイオクからレギュラーガソリンへECUのマッピングを切り替えるボタンが、ダッシュボード上に付いている。

TVRサーブラウのまとめ

サーブラウは、他を圧倒する動力性能や存在感、音響など、魅力たっぷりのクーペ。大胆なスタイリングは、想像以上の注目を集める。目立つのが嫌いなら、向いていないクルマといえる。走行距離以上に、整備履歴や車両状態へ注意を払いたい。

好調を保っていれば、多くのTVRより普段使いしやすい。丁寧に扱われていた車両を探し、望ましい専門ショップを頼りたい。信頼性は低くなく、一生物の自動車体験を長く楽しめるはず。

良いトコロ

TVRサーブラウ(1996〜2006年/英国仕様)
TVRサーブラウ(1996〜2006年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

希少なクルマといえるが、英国にはオーナーズクラブが存在し、得意とするショップも少なくない。交換部品も、比較的手頃な価格で入手可能。アップデートで、信頼性や乗りやすさも高められるはず。

良くないトコロ

気安く選ぶモデルではない。電子アシストは備わらず、ドライバーの集中力と技術が常に求められる。また、少量生産が故の弱点を許容できる、広い心も。

TVRサーブラウ(1996〜2006年/英国仕様)のスペック

英国価格:4万1100〜4万6500ポンド(新車時)
生産数:1490台
全長:4280mm
全幅:1865mm
全高:1220mm
最高速度:289-310km/h
0-97km/h加速:3.9〜4.4秒
燃費:4.6-9.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:1163-1178kg
パワートレイン:V型8気筒4185・4475cc 自然吸気 SOHC/直列6気筒3996cc 自然吸気 DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:355ps/6500rpm-446ps/6750rpm
最大トルク:44.1kg-m/4500rpm-55.4kg-m/5500rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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