【予約は1ヵ月で1000台越え】小型モビリティロボット『ミボット』量産化プロジェクト進行中!

公開 : 2025.03.12 12:05  更新 : 2025.03.12 12:16

昨年夏に紹介した、広島のKGモーターズが開発中の小型モビリティロボット『mibot(ミボット)』。それから半年近くを経て、メディアに向けて量産準備の進捗の発表や試乗体験が行われました。篠原政明がその模様を報告します。

わずか1ヵ月で予約は1000台を突破!

昨年夏に紹介した、広島のKGモーターズが開発中の小型モビリティロボット『mibot(ミボット)』。それから半年近くを経て、メディアに向けて量産準備の進捗の発表や試乗体験が行われたので、その模様を報告しておこう。

広島県東広島市に本拠を置くKGモーターズが開発中の小型モビリティロボット『ミボット』は、簡単にいってしまえば電動の原付ミニカー(四輪車)だ。軽自動車までも必要としない、『ひとりで短距離』の利用に(特に公共交通の衰退した地方で)最適なモビリティとして提案され、開発が進められている。

広島のKGモーターズが開発中の小型モビリティロボット『mibot(ミボット)』。
広島のKGモーターズが開発中の小型モビリティロボット『mibot(ミボット)』。    KGモーターズ

前述のようにミボットは乗車定員が1名の原付ミニカーで、運転には自動車普通免許(AT免許でOK)が必要だ。四輪車なのでヘルメットは不要で、速度制限は60km/h、2段階右折もしなくていい。AC100Vで満充電まで5時間、航続距離は100km。ソフトウエアはOTAでアップデートが可能だ。車両価格は、110万円となっている。

このミボット、昨年夏に試作車を公開して予約を開始したところ、1ヵ月で1000台を突破し、現段階で1911台の予約が入っているという。その9割以上が個人で、年齢層としては40〜50代が中心。充電インフラを考慮してか、9割近くの人が一戸建ての持ち家で、95%以上の人が既にクルマを所有しており、そのうち3分の2近くの人は2台以上所有している。

つまり、ミボットをセカンドカーの代替車や増車として検討している可能性が高いようだ。使用目的も、『日常の足』的な生活利用や通勤、仕事にといった利便性向上のためという人が8割近くを占めている。

KGモーターズでは、今年秋からの量産に向けて、安全性や耐久性の評価を終えた量産仕様の試作車両を完成し、今回メディアに公開するとともに短時間だが試乗の機会を与えてくれた。まずは、そのレポートから紹介していこう。

走りはいたってスムーズで軽快。視界も良い

ミボットの試乗会場は、都内の某自動車教習所の敷地内コース。試乗車は昨年公開されたプロトタイプとほぼ変わらない、パーツ簡略化のため前後と左右で対称なデザインとしたスタイルが可愛らしい。

ドアを開けて乗り込むと、ひとり乗りの空間としては狭くない。既にシステムが立ち上がっているので、ブレーキを踏みながらダイヤル式のセレクターをDに入れ、パーキングブレーキを戻してアクセルペダルを少しずつ踏み込む。

試乗会場は、都内の某自動車教習所の敷地内コース。
試乗会場は、都内の某自動車教習所の敷地内コース。    篠原政明

ドライブトレーンなどはまだ開発途中だそうだが、発進はいたってスムーズ。徐々にアクセルペダルを踏み込んでいくと、駆動モーターが電車にも似た『ウイ〜ン』という音を発しながら軽快に加速する。

アクセルペダルをベタ踏みしなくても街中のクルマと同様な加速は可能で、市街地走行でも周囲の迷惑になることはないだろう。油圧ブレーキの効き方も素直だ。

短い直線路で全開加速を試みると、50km/h近くまでスムーズに加速した。狭い車幅だが直進安定性はしっかり保たれており、またこの手のマイクロカーとしては乗り心地も悪くない。

教習所のコースなのでS字やクランク、坂道発進なども試してみたが、小回り性もスムーズで坂道からの再発進もパワー不足は感じない。また、周囲の大きなクルマの動きが気になる小さなクルマゆえ、視界が良いのも高ポイントだった。

内外装の質感も悪くない。エアコンやシートヒーターも装備し、ディスプレイモニターはスマートフォンとのリンクも可能。リアのラゲッジスペースは45kgも積載可能だ。

唯一気になったのは、流用パーツの関係でウインカーのレバーがステアリングポスト左側にあること。ふだん日本車に乗っている人には違和感があると思うので、この点は可能ならば改善してもらいたいところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

おすすめ

人気記事