もはや博物館 広大な森の中で見つけたクラシックカー 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.03.15 18:45

1954年型キャデラック・フリートウッド

これは、自動車解体業者の素晴らしい宣伝になるのではないだろうか? 古いクルマを専門に扱う業者の多くは、クロスリーやヘンリーJ(後述)を看板代わりに道路沿いに掲げる傾向があるが、オールドカー・シティでは、この美しい1954年型キャデラック・フリートウッドを使って通行人の目を引いている。1954年に同車を4680ドルで購入した幸運な人はわずか1万6200人だった。

1954年型キャデラック・フリートウッド
1954年型キャデラック・フリートウッド

1956年型シボレー

この1956年型シボレーは、間違いなく良い時代を過ごしてきたはずだが、残念ながら、ボディパネルにはかなりの腐食が見られる。クルマを森の中に駐車しておくのは、保管としてはあまり良い方法とは言えない。湿った葉がクルマに降り積もり、あらゆる隙間に入り込んでしまう。そして、上部の厚い葉が太陽の光を遮り、金属部分が乾くのを妨げてしまうのだ。

1956年型シボレー
1956年型シボレー

1948年型ハドソン

ヤマアラシのような変装をしているが、この1948年型ハドソンを見間違えることはない。ナンバープレート周辺から判断すると、この個体はジョージア州アトランタのJWゴールドスミス社から供給されたものと思われる。同社は1909年から1954年まで営業していた米国最古のハドソンディーラーであり、また2番目に成功したディーラーでもある。最も多くハドソンを販売したのは、シカゴのコーテシー・モータース社だ。

1948年型ハドソン
1948年型ハドソン

1967年型ビュイック・リビエラ

敷地の中心にある湖のほとりに、1967年型ビュイック・リビエラが停まっていた。1967年型における大きな改良点は、最高出力360psを発生し、0-97km/h加速わずか8.2秒を誇る430立方インチ(7.0L)の新型V8エンジンが導入されたことだ。

1967年型ビュイック・リビエラ
1967年型ビュイック・リビエラ

1950年型オールズモビル・フューチュラミック88

この1950年型オールズモビル・フューチュラミック88では、クロームメッキが塗装よりもはるかに長持ちしている。フューチュラミックは、同年に新登場した高圧縮比のOHV V8エンジンを搭載しており、デトロイト初のベストセラー・マッスルカーと広く考えられている。実際に、NASCARでは数シーズンにわたって圧倒的な強さを誇った。

1950年型オールズモビル・フューチュラミック88
1950年型オールズモビル・フューチュラミック88

カイザー

34エーカー(約13万7000平方メートル)の森林地帯には長さ10kmの道が敷かれ、歩いていると次に何が出てくるかわからない。この珍しい1947年/48年のカイザーもその1つ。40年近くも雑木林に放置されていたにもかかわらず、驚くほどしっかりしている。レストアは十分に可能だろう。1946年から1955年の間に、約76万台のカイザーが製造された。

カイザー
カイザー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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