【ホンダウエルカムプラザ青山休館で思う】1980年代ホンダ車は熱かった!開館当時に活躍した名車たち

公開 : 2025.04.05 11:45

バラードスポーツCR-X Si(1984年11月1日発売)「これぞホンダのDOHC!」

世界最高峰の自動車レースであるF1で培かったホンダ独自のエンジン技術をもとに開発した、小型高性能DOHC16バルブエンジン(1590cc)搭載の『ホンダバラードスポーツCR-X Si』。発売されたのは1984年11月1日で、価格は150万3000円だった。

このDOHCエンジンには、市販乗用車で世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドを採用。これは、カムシャフトをバルブの内側に配置し、ピボットを支点にしたスイングアームがバルブを作動させるもので、これにより吸気バルブで10.3mm、排気バルブで9.0mmのハイリフトを達成。吸排気効率を大幅に向上させ高回転、高出力化を実現させるとともに、シリンダーヘッドのコンパクト化を実現した。

ホンダ・バラードスポーツCR-X Si
ホンダ・バラードスポーツCR-X Si    本田技研工業

また、カム形状に沿って内部を肉抜きした、世界初の異形中空カムシャフトや小型軽量の4連アルミシリンダーブロックを採用するなど数々の軽量化を計り、高性能と小型軽量化を両立。さらに、火炎伝播と燃焼効率にすぐれたペントルーフ形燃焼室やセンタープラグ方式の採用、吸排気の脈動効果にすぐれた等長インテークマニホールドや4-2-1-2のエキゾーストシステムの採用などが相まって、135ps/6500rpmの最高出力と15.5kg-m/5000rpmの最大トルクを実現。14.8km/L(10モード走行燃料消費率)のすぐれた燃料経済性を同時に達成した。

針が舞い上がるようにレッドゾーンに吸い込まれていく

サスペンションは、フロントに操縦性、回頭性にすぐれたトーションバーストラット式サスペンションを、リアには路面追縦性にすぐれたトレーリングリンク式ビームサスペンションを採用。また、新設計の等長ドライブシャフトを採用し、DOHCのパワーを均一に前輪に伝え、発進時やコーナーリング時の安定性をさらに高め、スポーティな走りを可能としていた。

これにより、バラードスポーツは、1983年9月のフルモデルチェンジで明快な個性としたシリーズをさらに充実させ、より走りをもとめる向きにも答えられるものとなったと言えるだろう。

思い起こせば、相変わらずヒップポイントの低いシートに座りエンジンを掛けると、低く唸るようなエキゾーストノートが響く。ギアシフトを1速に入れ軽めのクラッチペダルをミートして走り出すと、低い回転域から太いトルクを発生していて運転しやすい。

そこから全開加速を試みると、ツインカムらしいメカニカルノイズを響かせながら、レブカウンターの針が舞い上がるようにレッドゾーンに吸い込まれていく。860kgの車重だから速いのは当然だが、FF車に関わらず全開加速でもハンドルが取られることもなく、コーナリングマナーもいい。腕に自信のある手練れが本気で走ってもクルマがついてきてくれる。本当に愉しいクルマだった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!

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