あくまでもロードカー! スパルタンな中に独特な高級感 マセラティGT2ストラダーレ&MCプーラ・チェロ(中編)

公開 : 2026.04.30 11:50

マセラティの最新スーパースポーツ、『GT2ストラダーレ』と『MCプーラ・チェロ』をスーパーカー超王こと山崎元裕が試乗します。V6ツインターボ、カーボンモノコックなど、まさにプーラ(=純粋)の名に相応しいプロフィールです。

あくまでもロードカーとして生を受けたモデル

鮮やかで、そしてまた刺激的な『ジャッロ・ジェニ』と呼ばれるイエローを基調色とし、ルーフやボンネット、そして前後のスポイラーやデフューザーなどのボトムセクションをブラックで装った『マセラティGT2ストラダーレ』。

そのボディはスムーズなライン構成も大きく影響しているのだろう、見るからに優秀なエアロダイナミクスを想像させる造形だ。リアエンドに備わる巨大なウイングもまた、このモデルのコンセプトをダイレクトに表現するアイテムとなる。

刺激的なジャッロ・ジェニと呼ばれるイエローを基調色とする取材車の『GT2ストラダーレ』。
刺激的なジャッロ・ジェニと呼ばれるイエローを基調色とする取材車の『GT2ストラダーレ』。    神村聖

20インチ径の設定となるマットブラックのホイールは、ワイドで美しいフェンダーのデザインとともに、フットワークの力強さというものをドライブの前から予感させるもの。

キャビンのフィニッシュも魅力的だ。

軽量なカーボンファイバー製のフレームを持つバケットシートは、実際にそれに身を委ねてみれば抜群のホールド性を感じさせるばかりではなく、長時間のドライブでも疲れを最小限に抑えてくれる座り心地が得られていることがわかる。

そう、GT2ストラダーレは、その名が物語るようにあくまでもロードカーとして生を受けたモデルなのだ。スパルタンな中にもキャビンのフィニッシュに独特な高級感が演出されているのは、いかにもマセラティの作である。

モードによって走りのキャラが明確に変化

スタートボタンをプッシュすると、ミドに搭載される3LのV型6気筒DOHCツインターボエンジンは瞬時に目覚める。マセラティが『ネットゥーノ』と名付けたこのエンジンが最大の技術的特徴としているのは、副燃焼室の採用によって、きわめて高効率な燃焼を実現していることだ。

最高出力で640ps、最大トルクでは720Nmを発揮するこのエンジンの姿は、リアハッチをオープンすれば直接視認できるが、そのコンパクトな設計に加えて、低重心化のための徹底した取り組みが特に印象に残る。

センターコンソール上に備わるロータリースイッチでドライブモード切り替えが可能。
センターコンソール上に備わるロータリースイッチでドライブモード切り替えが可能。    神村聖

センターコンソール上に備わるロータリースイッチで、『ウエット』、『GT』、『スポーツ』、『コルサ』のドライブモードを選択できるが、モードによって走りのキャラクターはかなり明確に変化する。

GTではエンジンやミッション、そしてサスペンションの制御は比較的穏やかで、市街地や長距離のドライブにはもちろんこれが最も適している。

ここからスポーツモードへ移行すると、エキゾーストノートはさらに大きく官能的な響きへと変化し、アクセルレスポンスにもより一層の鋭さが表れる。ネットゥーノ・エンジンは、GTモードでは実用域でのトルクフルなキャラクターを強く主張する傾向にあったが、スポーツではさらに高速域でのスムーズさと、パワーフィールに圧倒されることになる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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