【新車で買えるクラシックカー】旧車乗りが2025年モデル日産フェアレディZに試乗!細部に感じた『Zらしさ』とは

公開 : 2025.04.21 11:45

細部の意匠も乗り味も秀逸

具体的に見ていくと、エクステリアのディテールにもこだわっている。

例えば、LEDヘッドランプのデザインは初代フェアレディZ(S30型)を想起させるふたつの半円をイメージしており、現行モデルのアイデンティティと見事に調和させている。

3連サブメーターが、S30型日産フェアレディZの面影を感させる。
3連サブメーターが、S30型日産フェアレディZの面影を感させる。    山本佳吾

そして、リアのコンビネーションランプは4代目のZ32型をイメージさせるデザインに最先端の技術を採り入れ、新たに3DシグネチャーLEDを採用してフェアレディZらしさを表現している。

インテリアのセンタークラスターは、S30型の3連サブメーターとエアコン吹き出し口、コントロールスイッチ類を積み上げた操作性に優れた意匠を現代的な技法で再構築しており、ここからも日産のヘリテージを感じることができる。

内外装の『Zらしさ』を楽しみながら、いざ動かしてみたら、これまたクラシカルだったので驚いてしまった。クラシカルは、その言葉の中に古典的、伝統的、格式あるといったことを内包しているが、現行フェアレディZの乗り味は古典的なのだ。

いい意味で『これを2025年に売っているのか!』と思えるもので、往年の後輪駆動車でしか味わうことができないような懐かしい走行フィーリングを、マニュアルモード付きの9速ATで安全かつ快適に楽しむことが可能となっている。

新車で買えるクラシックカーだと書いたら日産の開発陣に怒られそうだが、個人的にはその観点から、549万7800円の6MT仕様がベストバイだと思った。

日産フェアレディZバージョンSTのスペック

全長×全幅×全高:4380×1845×1315mm
ホイールベース:2550mm
トレッド:F1555mm R1565mm
車両重量:1620kg
エンジン:V型6気筒ツインターボ(VR30DDTT)
総排気量:2997cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
最高出力:298kW(405ps)/6400rpm
最大トルク:475Nm(48.4kg-m)/1600-5600rpm
圧縮比:10.3
トランスミッション:9速AT(9M-ATx)
燃料タンク容量:62L
タイヤ:F255/40R19 R275/35R19
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン Rマルチリンク
ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク
燃料消費量(WLTCモード):10.2km/L
価格:675万9500円

V型6気筒ツインターボ(VR30DDTT)は、405ps/48.4kg-mのスペック。
V型6気筒ツインターボ(VR30DDTT)は、405ps/48.4kg-mのスペック。    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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