【1965年の初優勝から60周年】A.セナが乗ったF1マシンの一部を自宅に?ホンダがメモラビリア事業をスタート!

公開 : 2025.04.21 11:05  更新 : 2025.04.21 17:37

先日、HRC=ホンダ・レーシングが新しいメモラビリア事業を8月から開始すると発表しました。1965年のF1メキシコ・グランプリの初優勝から60周年、そのブランドを高める狙いもあるようです。高桑秀典がレポートします。

HRCがメモラビリア事業を8月からスタート

先日お台場特設会場にて開催された、F1東京ファンフェスティバル2025において、HRC(ホンダ・レーシング)が新しいメモラビリア事業を8月から開始することが発表された。

メモラビリアとは記憶すべき歴史的な記念品のことで、スポーツメモラビリアの場合、選手の写真や直筆サイン入りボール、使用済みのバットやユニフォームといったギア、ホームランボールなどがそれに該当する。

1990年にアイルトン・セナが使用した、F1用V型10気筒ホンダRA100Eエンジンの実機を分解。
1990年にアイルトン・セナが使用した、F1用V型10気筒ホンダRA100Eエンジンの実機を分解。    本田技研工業

ホンダのレース活動を担っているHRCが展開する今回の事業では、署名入りグッズ、限定版コレクターズアイテム、ホンダのモータースポーツ史にまつわる貴重な収蔵品といった高品質かつ幅広いコレクションを通じ、世界中のレースファンやコレクターに本物のパーツおよび輝かしいヒストリーの一部を所有する機会を提供することになる。

新しい事業の第1弾として、1990年のF1シーズンでアイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーが使用した本物のホンダRA100E F1エンジンから稀少な限定アイテムを厳選。

まずは、この夏にアメリカのカリフォルニア州モントレー半島で開催されるモントレー・カーウィークにおいて、ホンダがF1グランプリで築いてきた貴重な歴史の一部を、世界中から訪れるレースファンやコレクターと共有することになる。

モントレー・カーウィークでのメモラビリア提供方法はオークションになるそうだが、今後はECサイトも活用していくのだという。

アートパーツコレクションを提案したい

セナやベルガーが1990年シーズンのF1グランプリで戦っていたとき、 彼らのマシンで『勝利のホンダ・サウンド』を奏でていたのが、ホンダRA100Eエンジンだ。

そのエンジンの一部を手元に置いてもらうことで、レースファンやコレクターが当時の栄光の記憶をいつまでも鮮やかに留めることが可能となる。好きなときに手に取って、振り返ることもできるだろう。

ゲルハルト・ベルガーのRA100Eのカムシャフト、ピストン&コンロッドをケースに収納。
ゲルハルト・ベルガーのRA100Eのカムシャフト、ピストン&コンロッドをケースに収納。    山本佳吾

今回のメモラビリアビジネスでは、そのような特別な価値を届けることを狙うだけではなく、当事業を通じてHRCのレーシングブランドとしての価値をさらに高めていくことも目指している。

RA100Eエンジンは、栃木県さくら市にあるHRCのファクトリーで、実際に当時のF1エンジンの組み立てに携わった熟練メカニックによって丁寧に分解された。

ひとつひとつのパーツとなったものとして、カムシャフト、カムカバー、ピストン、コンロッドなどがあり、それらが展示用ケースの中に美しく納められ、アートパーツコレクションとしてオリジナルのHRC認定証 (サーティフィケート) が添付される。

ホンダは、栃木県のモビリティリゾートもてぎにあるホンダコレクションホールと、三重県の鈴鹿サーキットにあるホンダ・レーシング・ギャラリーで歴史的なレーシングマシンを展示。

いくつかのマシンは走れる状態で維持保存されており、動態保存のためにホンダは多くのスペアパーツも所蔵している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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