【2025年モデルに乗って思い出した究極の240ZG】まさに高嶺の花!S30型日産フェアレディZ 『Gノーズ』を手に入れたオーナーの話

公開 : 2025.04.21 12:05

1974年式アルファ・ロメオを四半世紀以上所有する旧車乗りの高桑秀典が、2025年モデルの日産フェアレディZに試乗し、思い出した1台があります。Gノーズと呼ばれる、S30型日産フェアレディZ『240ZG』です。

免許取りたての時は買うことができなかった

歴代モデルへのオマージュを盛り込んだデザインで登場した現行日産フェアレディZは、走行フィーリングまで古典的。見る者、乗る者にノスタルジーを感じさせる。

2025年モデルのフェアレディZバージョンSTの試乗を終えた筆者は、頭の中で「新型Z、いいクルマだなぁ」と囁きつつ、以前取材した1972年式の240ZG(S30型)が非常にカッコよかったことを思い出した。

S30型日産フェアレディZの4番目のグレードとして1971年に登場した240ZG。
S30型日産フェアレディZの4番目のグレードとして1971年に登場した240ZG。    山本佳吾

これまでに数多くの歴代フェアレディZを撮影したが、いまだにこの240ZGを超える1台は登場していない。

1969年に発売された初代フェアレディZは、オープンモデルのダットサン・フェアレディに代わるスポーツカーとして人気を博した。

Z、Z-L、Z432に続く、S30型フェアレディZの4番目のグレードとして1971年に登場した240Z/240ZGは、輸出モデルに搭載されていたL24型エンジンを採用。さらなる走りのよさを手に入れた。

「若い頃からずっとフェアレディZが欲しかったのですが、買うなら240ZGにするって決めていました。でも、18歳の若僧にとって3ナンバー車は高嶺の花だったので、買うことはできませんでした」

そのように話してくれた240ZGのオーナー氏は、クルマの整備歴が40年以上になるというベテランメカニック。仕事柄、いまどんなクルマが流行っているのかがすぐさま分かり、ついつい自分も欲しくなってしまって、過去に32台も購入したのだという。

良質な売り物がなく、あえて買わなかった

240ZGのオーナー氏はさまざまなクルマを所有してきたが、特に日産とトヨタの絶版車のことが好きだったそうだ。

その車歴を列記すると、18歳のときにトヨタ・セリカ1600GTを買い、20歳のときにローンで日産スカイラインGT-R(KPGC10型)を購入。2ドア/オーバーフェンダーフェチなので、トヨタ・カローラレビン(TE27型)に乗っていたこともあった。

特徴的なリアスポイラーとオーバーフェンダーは純正品だ。
特徴的なリアスポイラーとオーバーフェンダーは純正品だ。    山本佳吾

31~32歳のときに峠仕様のトヨタ・スターレット(KP61型)、34~35歳のときにGT-R仕様にモディファイした日産スカイライン(KGC10型)に乗り、ホンダ・ライフ(360cc)を計4台愛用したり、家族用のファミリーカーとしてシボレー・カプリス・ワゴンや2台のアストロを乗り継いだりした。ケータハム・スーパーセブンや新車で購入したバーキン・セブンに乗っていたこともあるそうだ。

過去にフェアレディZを愛用していたこともあり、そのクルマはS31型の昭和51年排出ガス規制適合車だった。

「30歳のときにS31型フェアレディZの2000Z-Lに乗っていました。2シーターで、インジェクション仕様だったのですが、昔からZは改造しているクルマというイメージだったので、これをキャブ/シングルターボ仕様にモディファイして、一年ぐらい乗りました。モータースポーツにも使いましたね。そして、同時期に部品取り用としてS31型の2000 2+2も手元にあり、こちらは半年ぐらい乗りました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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