【第10回】浜先秀彰の絶対的カーグッズ!:『フローティングスタイル』カーナビについてのお話
公開 : 2025.07.02 17:05
AUTOCAR JAPANのカーグッズ情報を担当する浜先秀彰が、商品選びのコツや業界の気になる話を月イチで紹介。今回は、フローティングスタイルと呼ばれるカーナビについて、更には各社のラインナップもご案内します。
『フローティングスタイル』のカーナビ
今回は、年々人気が高まっている『フローティングスタイル』のカーナビについてお話をしたいと思います。
市販大画面カーナビでは主流となっているタイプで、ディスプレイが浮いて見えることから『フローティングスタイル』と呼ばれます。本体前面に別体のディスプレイユニットを接続した構造を持ち、装着時にはダッシュボードから数センチ前方にせり出す形となります。

このようなフローティングスタイルを取り入れた最初の市販カーナビは、2016年にデビューしたパナソニックの『ストラーダCN-F1D』です。
それまでカーナビの画面は本体のフロントパネルに内蔵されているというのが当たり前だったため、2DINや200mmワイドと呼ばれる規格サイズスペースでは物理的に画面を大きくすることができず、7型画面と決まっていました。
当時も8型以上の大画面ナビはありましたが、それらは本体も大きかったり、車種専用形状だったりと、装着できるクルマが限られていたのです。
ストラーダCN-F1Dは、フローティングスタイルとすることで今までの常識を覆し、9型大画面の搭載を実現しました。前方にせり出したディスプレイがシフトレバーにぶつかったり、ハザードスイッチの上に被さったりしなければ、ほとんどの2DINサイズ、200mmワイドサイズのクルマに装着ができ、なんと144車種に適合。
その後パナソニックでは地道な調査で適合確認車種を増やし、最新モデルでは10型大画面を搭載し、540車種以上に適合しています。
なお、7型に比べると9型は1.7倍の大きさ、10型は2.2倍の大きさとなります。フローティングスタイルは、これまで大画面ナビの装着をあきらめていた車種にも装着を可能とした画期的なアイデアといえます。
このように大画面でありながら優れた汎用性を持つのがフローティングスタイルの最大の特徴です。また、画面とドライバーの距離が近くなるため、実際のサイズよりもひと回り大きく感じたり、手が届きやすくタッチパネル操作がしやすくなるというメリットも生まれます。ディスプレイの角度が自由に調整できるため、映り込みなど反射を防ぐ効果も期待できます。
一方でデメリットといえるのは見た目の後付け感が出ることで、やはりダッシュボードに埋め込まれていないのがスマートではないと感じる人もいるでしょう。
フローティングスタイルカーナビの草分け
では次はフローティングスタイルカーナビの草分けともいえる存在、ストラーダFシリーズの最新モデルで10型有機ELディスプレイを搭載する『ストラーダF1X PREMIUM10 CN-F1XC1D』について紹介しましょう。
ストラーダのフローティング構造は『DYNABIGスイングディスプレイ』と名付けられており、業界で最も進化した機構を備えています。多くのフローティングスタイルのモデルではディスプレイは前後角度だけの調整となっていますが、このモデルでは前後角度に加えて左右角度(スイング)、高さ、奥行(取付時のみ)の調整まで可能としているのです。

これによりドライバーがもっとも見やすいポジションへのセッティングを容易にできるのはもちろん、ナビ装着スペースまわりのスイッチや吹き出し口との干渉を避けられます。
また、走行やアイドリングによる振動で画面がブレて見えないようディスプレイユニットを軽量化したり、剛性の高いシャシーユニットを採用したりと、耐振動性能の向上にも取り組んでいます。これらユーザーの使い勝手や安全・安心を重視したモノづくりはさすがパナソニックといったところです。
そしてディスプレイパネルに業界で唯一となる『有機EL』を採用しているのも大きな特徴。液晶には表現ができない本物の黒を表現できるため色鮮やかさが際立ち、豊かな諧調で描き出します。しかも独自の技術によって低反射も実現し、不快な映り込みを排除しています。
機能面についてはスマホとのテザリング接続を介してネット動画視聴やオンライン検索、ワンタッチ地図更新など、通信を活用したエンタメ&ナビ機能が数多く搭載。Apple CarPlayやAndroid Autoによって、車内でも安全かつ快適にスマホアプリを利用できます。












