静かで滑らか、力強い 日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー(2) 登場時より訴求力上昇 らしい革新性

公開 : 2026.03.13 18:10

彼の地で好評な旧デュアリス 六角形グリルの新顔に広々車内 タッチモニターはグーグル・システム稼働 直接タイヤは回さない3気筒ターボ 静かで滑らか、力強いe-パワー UK編集部が試乗

静かで滑らか、力強いe-パワー

エンジンで充電しモーターで走る、日産キャシュカイのe-パワー。新しい3気筒エンジンは滑らかに回転し、低域で必要なトルクを生成し、走行時は印象的なほど静か。実際、80km/hで走行中の車内ノイズは62dBAで、ライバルを凌駕している。

フェンダー裏や荷室内にフォーム材が敷かれ、遮音性も高い。試乗車は20インチ・ホイールを履いていたが、インチダウンすれば更に静寂性は向上するだろう。

日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)
日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)

日常的な条件では、低いエンジン音が遠くから聞こえる程度。アクセルペダルを踏み込むと、ワンテンポ遅れて回転数が上昇するが、耳障りなほどではない。高速走行時は、駆動用バッテリーの充電量を半分以上に保つため、不定期に始動・停止が繰り返される。

駆動用モーターは205psと33.5kg-mを発揮し、発進加速は充分活発。約50km/hから110km/h程度までの、高速道路への合流時のような加速はさらに力強い。レスポンスはリニアで、25%ほどの開度で高速道路を巡航できる。

ひと回り大きなモデルのような乗り心地

e-パワーは、日産リーフのようなバッテリーEVと異なり、ワンペダルドライブには対応しない。それでも、回生ブレーキは2段階から選べる。ブレーキペダルの踏み心地は安定し、高負荷時には若干スポンジーな印象を伴うものの、必要な制動力を得やすい。

キャシュカイには、158psのマイルド・ハイブリッドも用意されるが、こちらも目立った不満はない。低域からトルクフルで、電気モーターがアシストすれば扱いやすさは更に高まる。高域でのフィーリングは少し荒っぽく、CVTはダイレクト感に欠けるが。

日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)
日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)

乗り心地は、快適なファミリーカーらしい特性が狙われたもの。大型のクロスオーバーのようにゆったり揺れを抑え込み、ボディロールは控えめ。路面の凹凸を巧みにいなし、高速域での落ち着きにも優れる。

他方、片側のタイヤへ強い入力が加わると、横方向に大きめの揺れを伴うことはあり、姿勢制御は引き締めても良い。大径ホイールによる、バネ下重量も影響していそうだ。

適度に機敏な操縦性 高精度な運転支援システム

ステアリングはスロー過ぎず、同クラスのクロスオーバーでは機敏な操縦性を叶えている。カーブでの挙動は予想しやすく、ボディの傾きも大きくない。

限界が迫るとスタビリティ・コントロールが働くが、介入は穏やか。自然に、ボディを望ましいラインへ留めてくれる。カーブでアクセルペダルを踏み込みすぎても、アンダーステアは巧みに抑制。完全にオフにすれば、タイヤのグリップ力を使い切れる。

日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)
日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワー・テクナ+(英国仕様)

運転支援システムは、歩行者や自転車も検知する衝突被害軽減ブレーキに、車線維持支援、ブラインドスポット・モニター、ドライバー監視、制限速度警告、アダプティブ・クルーズコントロールなどを実装。日産は、これらを統合し「プロパイロット」と呼ぶ。

制御は高精度で、ドライバー監視もお節介には感じなかった。車線維持支援などは、ボタンで簡単にオフにでき、必要な機能だけを有効にするカスタム・モードもある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

日産キャシュカイ(デュアリス) e-パワーの前後関係

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