前代未聞の空力ボディ、キュートな3輪車も 世界の奇抜なクルマ 43選(中編) 類稀なセンスと冒険心

公開 : 2026.03.15 11:25

他とは一線を画す「ワイルド」で「奇抜」なデザインのクルマを紹介します。技術的根拠から生まれた過激なフォルムから、単に流行を追った過剰な装飾まで、自動車史に強烈なインパクトを残したメモリアルな43台です。

クライスラー・エアフロー

1934年に登場したクライスラー・エアフローとその兄弟車デソート・エアフローは、空気の流れを強く意識して設計された最初期の量産車の1つだ。燃費や性能向上といった利点は現在では周知の事実だが、エアフロー登場以前からパウル・ヤーライらによって理解されていた。

一方で、大恐慌期にこれほど衝撃的なボディデザインのクルマを投入するのは勇気のいることだった。デソート・エアフローは1936年に、クライスラーは翌年に生産中止となったが、極めて影響力のあるデザインだった。

クライスラー・エアフロー
クライスラー・エアフロー

シトロエン・アミ

シトロエンのデザインで最も奇抜なのは2CVではなく、アミだろう。この異様に風変わりなセダンは、菱形のヘッドライトと逆勾配のリアウィンドウを備えている。その1つ1つの特徴は目新しいものではないが、他の要素と相まって、アミは史上最も奇妙な量産車の1つとなっている。

発売から7年後の1968年にアミが再設計された際、ある種の「普通さ」を取り入れることになった。一般的な乗用車の文脈では依然として奇妙に見えたが、初期型と比べればごく普通のクルマだった。

シトロエン・アミ
シトロエン・アミ

シトロエンDS

DSは広くデザインの傑作と評される。1955年のデビュー時は信じがたいほど先進的で、20年後の生産終了時もなお異色だった。当初からハイマウントのリアインジケーターを装備しており、1967年以降はステアリング連動の指向性ヘッドライトを採用した。油圧式サスペンションと並ぶこれらの特徴は、今日でもいまだに珍しいものだ。

シトロエンDS
シトロエンDS

ダッジ・チャージャー・デイトナ

ワイルドな生まれ方をした市販車が、モータースポーツで大きな成功を収めることがある。ダッジ・チャージャー・デイトナはその好例だ。風を切るノーズコーンと巨大なリアウィングを備え、1969年と1970年にNASCARで競った4台の「ウィングド・ウォリアーズ」うちの1台、そして2台の「エアロ・ウォリアーズ」の最初の1台となった。2台目のエアロ・ウォリアーズは、機械的に類似したプリムス・スーパーバードだ。

傑出した成功を収めたレーシングカーは、デビュー後すぐに出場禁止になることが多い。NASCAR主催者は1971年以降、同車の出場を認めたものの、比較的小型エンジンのみ使用を許可した。これにより競争力は壊滅的に低下したのである。

ダッジ・チャージャー・デイトナ
ダッジ・チャージャー・デイトナ

ダッジ・ロイヤル

ダッジ・ロイヤルは1950年代中盤から後半にかけてのわずか5年間で、3世代にわたって生産された。この時期に起こった米国車のトレンドの変遷は、ロイヤルだけで研究できるほど顕著だ。

初代と2代目はまだ1940年代の雰囲気を残しているが、3代目では完全にジェット時代(ジェットエイジ)モードに入った。当時米国ではテールフィンなしではクルマが売れないほどで、長く鋭いテールフィンが目立つデザインとなった。ロイヤルは1959年モデルで生産終了となったため、派手なまま軟化することはなかった。

ダッジ・ロイヤル
ダッジ・ロイヤル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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