フォルクスワーゲンの命名戦略に変化 主力EV『ID.3』がマイナーチェンジで改名 デザイン刷新&内装の質感向上も

公開 : 2026.03.14 07:05

フォルクスワーゲン初のEV専用モデル『ID.3』が今年後半の大幅アップデートに伴い、新しい名称を獲得することになりました。『ID.3ネオ』へと改名し、デザイン、内装材、車載機能も変更される予定です。

ブランド初のEV専用モデル、大幅改良へ

フォルクスワーゲンが欧州で販売している電動ハッチバック『ID.3』は、今年後半に大規模な改良(マイナーチェンジ)を受ける際、『ID.3ネオ(ID.3 Neo)』に改名される。

ID.3は2020年に同ブランド初のEV専用モデルとして発売された、『ゴルフ』と同等サイズのCセグメント車だ。今回の改良では、質感の向上を図るためさまざまな変更が行われる。フロントデザインを刷新するほか、より上質な内装トリムを採用する予定だ。

ID.3ネオのデザインスケッチ
ID.3ネオのデザインスケッチ    フォルクスワーゲン

新しいID.3ネオという名称には由来がある。『ネオ(Neo)』はID.3の開発段階におけるコードネームだった。

フォルクスワーゲンによれば、今回の改良では車載ソフトウェアが最新バージョンへ移行という。これにより運転支援のトラベルアシストやワンペダルドライブモードといった新機能が追加される。さらにV2L機能も搭載され、車載バッテリーで外部機器への給電が可能になる。

フォルクスワーゲンの技術責任者カイ・グリューニッツ氏は、新ソフトウェアが「より高い性能とさらに優れた顧客体験」をもたらすと述べた。このソフトウェアはすでに『ID.4』、『ID.5』、『ID.7』に導入済みだ。

さらにスマートフォンで操作可能なデジタルキーも用意される。

EVのネーミング戦略を転換

ID.3の名称変更は意外な展開だ。フォルクスワーゲンは以前、IDシリーズで当初使用していた数字のみのナンバリング方式から、『IDポロ』や『IDクロス』のようなモデル名へ移行することを明らかにしていた。しかし、ID.3はそのまま名称を維持すると予想されていた。

しかし、AUTOCARなどの一部メディアに対して、フォルクスワーゲンの販売責任者であるマーティン・サンダー氏は、「まもなく次世代ID.3の名称を発表する予定です」と述べた。

ID.3ネオの予告画像
ID.3ネオの予告画像    フォルクスワーゲン

ID.3の名称が何らかの形で維持されることは、フォルクスワーゲンがこのモデルに一定のブランド価値を見出していることを示唆している。SUVのID.4は今年、より大規模な改良が行われ、ベストセラー車の名称を受け継いで『IDティグアン』に改名される予定だ。

初期のIDシリーズで、数字のみの命名戦略を採用した理由について、サンダー氏は次のように述べている。

「当時は業界全体で、新しい名前、新しいデザイン、新しい販売モデルなど、あらゆることをこれまでとはまったく異なる方法で行うという考え方がありました。しかし、業界は古いものがすべて悪いわけではないことを学びました。すべてを変える必要はなく、物事はより合理的な道へと戻りつつあります」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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