待ち遠しいストレート 比ではない興奮度 シェルビー・マスタング GT MG Xパワー SV(2)
公開 : 2025.07.26 17:50
フォードとの開発度の違いを隠せない
他方、イタリアのデ・トマソ由来のシャシーに、カーボンファイバー製ボディを載せたXパワー SVは精密度が高い。重心が低く、カーブではドライバーを中心に回頭していく。純正ではないモモ社製ステアリングホイールが、敏捷さへ貢献している。
マスタング GTより軽量で、アクセルレスポンスは鋭い。コーナーの出口で、43.7kg-mの最大トルクを引き出しやすい。最高出力は、現代の水準では目を見張るものではないが、1540kgだから不満なく速い。

乗り心地は意外にもしなやかで、少量生産モデルへありがちな、背骨に響く衝撃は皆無。とはいえ防音処理は不充分で、走行中の印象は荒削り。タイヤが跳ね上げた小石の当たる音が、つぶさに聞こえる。ドアの開閉音も、物置小屋の扉のようだ。
トラクションコントロールは、見た目とは裏腹に制御が厳しい。テールの滑る素振りが少しでも現れると、間髪なく介入する。慣れるまでは、エンジンの不調と勘違いしそうなほど。オフにもできるが、フォードとの開発度の違いは隠せない。
興奮度は比ではない 開発で可能性は拡張できた?
Xパワー SVは、攻め込むほど真価が顕になるタイプ。高回転域での咆哮は、シェルビー仕様のマスタング GTを上回る豪快さで、運転への陶酔度を深める。市街地でのマナーは、褒めにくいとしても。
マスタング GTは快適で扱いやすく、守備範囲が間違いなく広い。傷んだアスファルトが伸びるグレートブリテン島の、どこへでも目指せそうだ。アメリカン・マッスルカーを色眼鏡で見るクルマ好きでも、笑顔になれるに違いない。

フォード由来のV8エンジンを、斬新なカーボン製ボディで包んだXパワー SV。興奮度は、今回の相手の比ではない。特別な週末の時間を楽しむだけなら、オーナーを満たすはず。開発へ一層時間が割かれていれば、可能性は拡張されたに違いない。
とはいえ、懐の広い動的能力を持つマスタング GTを放ってはおけない。リジットアクスルで、洗練された印象とはいえないものの、親しみやすく面白い。同じV8エンジンでパワーとサウンドを謳歌するなら、筆者ならシェルビーを選ぶだろう。
協力:フェアモント・スポーツ&クラシックス社、MGSVクラブ、ジョン・ニューリー氏
フォード製4.6L V8を積んだ2台のスペック
MG Xパワー SV(2003年~2007年/英国仕様)
英国価格:6万5750ポンド(新車時)/6万ポンド(約1170万円/現在)以下
生産数:86台
全長:4480mm
全幅:1900mm
全高:1320mm
最高速度:265km/h
0-97km/h加速:5.3秒
燃費:8.5km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1540kg
パワートレイン:V型8気筒4601cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:324ps/6000rpm
最大トルク:43.7kg-m/4750rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)
シェルビー・マスタング GT(2007〜2008年/欧州仕様)
英国価格:3万6970ポンド(新車時)/4万5000ポンド(約878万円/現在)以下
生産数:7865台
全長:4775mm
全幅:1877mm
全高:1405mm
最高速度:236km/h
0-97km/h加速:5.3秒
燃費:7.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1609kg
パワートレイン:V型8気筒4601cc 自然吸気SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:323ps/6000rpm
最大トルク:45.5kg-m/4250rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)





































































































































