【輸入車CセグSUV界に強力な新入り】デザインは斬新、走りはフランスの伝統に忠実!気になる新型プジョー3008の仕上がり具合

公開 : 2025.07.14 12:05

長いストロークに感心、これぞプジョー

これまでのプジョーと比べると若干硬くなったように感じられた新型3008GTハイブリッドだったが、首都高速で少し速めのコーナリングを試すと印象が変わった。今どきとしては厚めの55扁平タイヤと相まって、しなやかなロードホールディングを披露し、その際長めのストロークも厭わないのである。

特にトーションビーム形式のリアサスによる、適度にロールが抑え込まれた沈み込みは「これぞフランス車!」と快哉を叫びたくなるものだった。タイヤというより車体全体の粘りで路面を捉える感覚なのである。

室内は湾曲した横長モニター(21インチ)が備わった『パノラミックiコックピット』に進化。
室内は湾曲した横長モニター(21インチ)が備わった『パノラミックiコックピット』に進化。    佐藤亮太

今回は1名乗車だったため、低速時や直線で少し硬めに感じたのかもしれない。これが3~5名乗車であれば伝統的で新しいプジョーの乗り味をペースに関係なく堪能できそう。

今回は僅か1時間ほどの試乗だったが、それでも新型3008の興味深いキャラクターは理解できた。それは見た目と動的質感の間にあるギャップのようなものだ。

内外装のインパクトは相当なものだが、硬いボディとしなやかなアシ、それらに対して少し小さめのパワートレーンという組み合わせはフランス車の基本に忠実なのである。

そして最新のマイルドハイブリッドユニットは、これまで以上に省燃費に的を絞って緻密な制御を行っているのである。だからこそWLTCモードで19.4km/Lという、輸入CセグメントSUVで断トツの燃費を達成できたのだろう。

伝統に忠実だけれど着実にアップデートが込められた、全く新しいプジョー。フランス車好きならずとも試乗してみるべき1台だ。

プジョー3008GTアルカンタラパッケージ・ハイブリッドのスペック

全長×全幅×全高:4565×1895×1665mm
ホイールベース:2730mm
トレッド:F&R1615mm
最小回転半径:5.4m
車両重量:1620kg
乗車定員:5名
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
ボア×ストローク:75.0×90.5mm
総排気量:1199cc
燃料供給装置:電子制御燃料噴射
最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
最大トルク:230Nm/1750rpm
燃料タンク容量:55L
モーター最高出力:16kW/4264rpm
モーター最大トルク:51Nm/750-2499rpm
バッテリー総電力量:0.9kWh
燃料消費量(WLCTモード):19.4km/L
駆動方式:FF
ブレーキ形式:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
タイヤ:F&R225/55R19
価格:558万円

1.2L直3ターボ+モーターのマイルドハイブリッドを搭載する。
1.2L直3ターボ+モーターのマイルドハイブリッドを搭載する。    佐藤亮太

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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