栄枯盛衰ミニカー界で今なお盛業、『ノレブ』の復刻モデル【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第9回】

公開 : 2025.07.23 17:05

1960年代当時のイメージそのままにリバイバル

一方、合従連衡、栄枯盛衰を繰り返すミニカー界にあって、今なお盛業であるフランスのノレブ。そんなノレブが、かつてトライアング社のブランドであったスポット・オンの商標を手に入れ、1960年代当時のイメージそのままに『SPOT-ON MODELS BY NOREV』のブランド名でリバイバルさせたのは2008年のことでした。

そのパッケージも、製図用コンパスと方眼紙をモチーフにした水色の箱で、これも典型的な初期のスポットオンのデザインを踏襲しています。オリジナルと異なるのは、『SPOT-ON』のロゴに『MODELS BY NOREV』が追加されていること。ミニカーのシャシー(裏板)にも、『SPOT-ON MODELS BY NOREV』の刻印があります。

こちらは『FORD THAMES TRADER No.111/A1(BRITISH RAILWAYS)』。
こちらは『FORD THAMES TRADER No.111/A1(BRITISH RAILWAYS)』。    長尾循

このシャシーと箱によって、見た目はビンテージのスポット・オンのミニカーであっても、20世紀になってフランスのメーカーによって復刻されたレプリカであることがわかるわけです。

そんな『SPOT-ON MODELS BY NOREV』ブランドのミニカーも、そのほとんどが限定生産モデルでしたので、今となっては目にする機会もすっかり減りました。

復刻された当時は「メーカー自身がこのような復刻モデル、レプリカを作ってしまうと、貴重なオリジナルを所有しているマニアとしては複雑な気持ちなのでは?」などという意見も耳にしましたが、ミニカー好きの間でそんな話題となっていたのも、もう十数年前のことなんですね。時の流れを感じます。

ちなみに現在のノレブは分冊百科を得意とする出版社に素材(=ミニカー)を提供したり、実車イベントとコラボしてオリジナルのチューニングカーを実車とミニカーで同時発表したりと、あいかわらず意気軒高なのでありました。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

長尾循の古今東西モデルカーよもやま話の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事